SSブログ

夏の終わり [POPS]

「お盆が過ぎたらすぐに夏休みが終わるよ!」
「早く宿題を片付けなさい!」

子供の時によく母親に言われたものである。

「まだまだ、夏休みは長いわ!」と高を括っていても高校野球が終わる頃には
夏休みの終わりを感じていた。


夏の終わり・・・


昔からこの時期が嫌いだった。

子供の頃は”迫り来る夏休みの終わり”を戦々恐々と向かえていた。

しかし、最近は”夏の終わり”を名残惜しく感じてしまうのである。


朝晩の日が短くなってくる。                       (もの悲しい・・・)
日に日にだんだん涼しくなってくる。                  (なんとも、もの悲しい)
セミからコウロギの声に変わってくる。            (またまた、もの悲しい)
薄着のおねえさん達の服装が秋物に変わっていく。     (たいへんに、もの悲しい・・・)


近年、特に季節を強く意識するようになってきた。

何も考えず、その日暮らしの子供の頃は一日が長かった。
小学生の時、一年といえば、とてつもなく長い時間のように感じていた。

しかし、大学生の頃から”時間の流れ”が早くなってきた。

就職してからは、時間に追われる日々が続いて自分の時間が無くなってしまった。
また4月には来年の3月までの計画の立案と決定をするので一年間が見えてしまう。

それどころか、生命保険のおばはんが持ってくる”生涯プラニング”などを見ると
すでに人生の終わりの時期まで示されているようだ。

近年はことさらに時間の経過を早く感じるようになった。

そのため、季節を強く意識するようになってきたようだ。

 

 

この頃は秋の到来を感じさせる夕日が見えるようになってきた。

哀愁漂う空の色を見ながら去り行く夏を名残惜しく感じるのだ。

  

この時期、聴きたくなるのが Michael Franks なのである。

Michael Franks は古い表現だとAORというジャンルに分けられる。
しかし初めて聴いた時、Michael Franks は一般的なポップスとは異なった肌触りがあった。
その大きな要因のひとつに、レコーディングのメンバーにある。
David Sanborn,Michael brecker,Wilton Felder,Joe Sample,Steve Gadd・・・等々
一流のジャズ、フュージョンミュージシャンがバックをサポートしている。

また、Michael Franks のずば抜けた作曲力もおおきな要因だろう。
オリジナルの優位性が高い、ロックやポップスにおいて、Michael Franks の作品のカバー
は非常に多いし、またレベルの高いものが多い。
これはスタンダードのようなもので、いかに曲の完成度が高いかという事を証明している。

Michael Franks ほど”哀愁漂う曲”を書くミュージシャンはいない。
特にボサノバ系の曲を書かしたら天下一品である。
そのため、ボサノバ系のミュージシャンの多くがMichael Franksの作品をカバーしている。

洗練された Michael Franks の歌うボサノバは”夏の夕日”を感じるが、ボサノバ生誕の地
であるリオの海岸の夕日というよりニューヨークの夕日と感じてしまう。

 

 

1977年の作品だが、全く古さを感じない。
”The Lady Wants To Know”や ”Antonio's Song"はスタンダードと呼んでもいい。

Sleeping Gypsy

Sleeping Gypsy

  • アーティスト: Michael Franks
  • 出版社/メーカー: Warner Bros.
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD

 

 

1993年の作品で最も Michael Franks らしいアルバムだと思う。
曲、演奏、そして録音の良さと三拍子揃ったアルバム。

Dragonfly Summer

Dragonfly Summer

  • アーティスト: Michael Franks
  • 出版社/メーカー: Warner Bros.
  • 発売日: 1993/04/13
  • メディア: CD

 

 

1999年のアルバムで最も僕がよく聴いたアルバムかもしれない。
そしてこのアルバムほど”夏の終わり”を感じさせてくれるアルバムはない!
7曲目の”Every Time She Whispers”こそ”哀愁漂う曲”なのである。

Barefoot on the Beach

Barefoot on the Beach

  • アーティスト: Michael Franks
  • 出版社/メーカー: Windham Hill
  • 発売日: 1999/06/01
  • メディア: CD

 

 

 

    

 

 

今年も夏が終わろうとしている・・・・・

本当に終わるのだろうか?

日中はめちゃめちゃ暑い日が続いているのだが・・・

 

 

 

 

追伸~
最近、Michael Franks を聴くといつも思い出すことがある。
青い花さんの書かれた”「鼻声」な人たち”という記事である。
ぜひとも、Michael Franks も”「鼻声」な人たち”のお仲間に!


nice!(16)  コメント(35)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 16

コメント 35

おぉおぉ~うっ・・・・・
〝Michael Franks〟・・・・・・・・・・
途中まで〝Micheal Franti〟と思って読んでしまいましたよ!(笑)
自分の好きなSOULシンガーです。
特に鼻声じゃないけれど、黒人のSOULシンガー特有の
深く澄んだ美しい声の人です。
〝Franks〟さんはボッサなんですね~
ちょっと興味湧きました。
by (2007-08-26 01:40) 

xxladybirdxx

初めまして♪

もの悲しい・・・かぁ・・・

思い出しました
小学生の頃、日曜日の夕飯が済んで
明日、つまり月曜日の事を ふっ と思った時
感じたもの・・・
by xxladybirdxx (2007-08-26 01:44) 

deacon_blue

☆ やはりヒットした「アントニオの歌」を思い出します。「僕はカリフューザ(Calif.USA)で自分を見失い,夢見たものを殆ど手放した。アントニオの歌はそんな僕をいつもアマゾンの流れに誘ってくれる」。。。
by deacon_blue (2007-08-26 01:45) 

たいへー

物悲しいほど、暑い・・・
昼間の暑さを何とかして欲しいものである。
私は「童謡」を聴くと、物悲しくなります。
「赤とんぼ」なんか、いいですね。
by たいへー (2007-08-26 08:45) 

のらりくらり

おはようございます。
マイケル・フランクス、アダルトなムードたっぷりの方ですね。
夏から秋にかけて、火照った心をクールダウンさせるにはもってこいのお勧めですね。
甘い歌声とバックに流れるJAZZの響きなんて言うのはピタッリです。
思い出して、また聞いてみたくなりましたよ。
by のらりくらり (2007-08-26 08:46) 

ベアトラック

マイケル・フランクスの「Antonio's Song」を聴いていたら、屋外の席で、ウィスキーでも飲みたくなってきましたよ。夕暮れ時の、チョット涼しくなってきた風に当たりながら・・・
とはいえ、日中はまだまだ蒸し暑いですねぇ・・・
そういえば、小学生の頃は、夏休みの終わり間際になると、熱を出すことがしばしばあったような気がします。
by ベアトラック (2007-08-26 10:40) 

かおり

この曲知ってます♪
でもタイトルも歌ってる人も知りませんでした~
よくぞそんな古い記事のことを覚えていてくださいましたね^^
マイケル・フランクス、私の基準では十分に「鼻声」な人たちに
当てはまると思います♪
仲間入りOKです★
by かおり (2007-08-26 21:37) 

夏の終わり・・・そんな事をしみじみと考えている
余裕が無くなった大人になってしまったようね。
日々の仕事に追われ気づくと1年が・・・。
いつまでたっても小学生の「まるちゃん」や「カツオくん」が羨ましい。

夏の想い出が欲しいんです。
by (2007-08-26 21:43) 

鯉三

初めて聴きました。ボサノバの歌い手が好んで歌うのはよくわかるような気がします。しかしこの鼻声はボサノバとちょっと違った印象を覚えました。とても変わった歌唱法ですね。まさに、哀愁。アメリカ人(?)が表現できる極上の都会的センスかもしれません。ジャケットのデザインのセンスもいいですね。音楽も美術的なセンスもちょっとパット・メセニーに似ているかな。俄然興味をもちました。

以前ご紹介いただいたキース・ジャレットの『up for it』を購入しました。あまりの美しい演奏に言葉を失いました。ずっと付き合える音楽に出会えた気がします。本当にありがとうございます。
by 鯉三 (2007-08-27 01:50) 

びっけ

「夏の終わり」・・・人生の‘夏’も終わってるもんなぁ・・・と、ちょっとセンチメンタルになってしまいましたわ。
“Antonio's Song”が、彼の曲とは知りませんでした!
私は誰のカバーで聴いたのだろう?
by びっけ (2007-08-27 07:44) 

koto

ウエストがなくなるのももの悲しい。
by koto (2007-08-27 09:23) 

蟹道楽

みなさま、暖かいコメントをいつも頂きましてありがとうございます。
最近、少々多忙になっておりまして、御返事が遅くなってしまって申し訳ございませんでした。
また、皆様への訪問もスローペースになっており申し訳ございません。
by 蟹道楽 (2007-08-28 00:34) 

蟹道楽

ぞうの国のあるじさん
Micheal Frantiって知らなかったのでアマゾンで何枚か試聴してみました。
懐かしい感じのラップ?かなり昔、Sugarhill Gangというラップを聴いていた
のですが、あれをもっとソウルにしたように感じました。
心地良い音でした!
by 蟹道楽 (2007-08-28 00:35) 

蟹道楽

xxladybirdxx さん
はじめまして!ありがとうございます。
僕はいまだに”サザエさん”のエンディングテーマを聞くと暗い気持ちになります。
by 蟹道楽 (2007-08-28 00:36) 

蟹道楽

deacon_blue さん
Antonio's Song の歌詞を最近になって訳詞を読みました。
泣けます。
by 蟹道楽 (2007-08-28 00:36) 

蟹道楽

Krauseさん
ありがとうございます。
by 蟹道楽 (2007-08-28 00:37) 

蟹道楽

たいへーさん
避暑地の長野も暑いのですか・・・
「赤とんぼ」といえば・・・
い、いかん!”あのねのね”の赤とんぼの曲しか思いつかない・・・
by 蟹道楽 (2007-08-28 00:37) 

蟹道楽

のらりくらりさん
>>夏から秋にかけて、火照った心をクールダウンさせるにはもってこい
素晴しい表現ですね!
のらりくらりさんのおっしゃる通りです。
Michael Franks の心地良さはやはり、Jazzの下地があるからでしょうね!
by 蟹道楽 (2007-08-28 00:37) 

蟹道楽

ベアトラックさん
ウイスキーとMichael Franks もいい組み合わせですね!
泡盛のロックなんかもお勧めです!(酒の話ばかりですね~)

僕の場合は熱は出しませんでしたが、ひたすら逃げていて最期は親がやっていたような記憶が・・・何分古い記憶で定かではありません・・・
by 蟹道楽 (2007-08-28 00:38) 

蟹道楽

xml_xslさん
ありがとうございます。
by 蟹道楽 (2007-08-28 00:39) 

蟹道楽

青い花さん
どうもあの”「鼻声」な人たち”というタイトルが頭から離れません!
青い花さんのブログに訪問し始めた頃の記事で”なるほど~”と納得した
ものです。
仲間入りの許可、ありがとうございます。
by 蟹道楽 (2007-08-28 00:39) 

蟹道楽

しゃおたおさん
ほんとうに、余裕がなくなってきておりますね!
ぼーとする時間が無くなったというか、仮にその様な時間が出来ても”何かしなくては!”と考えてしまう体になってしまいました・・・涙
しかし、いつまでも”カツオ”や”まるこ”では、ある楽しみが無い・・”ゴホッ”

>>夏の想い出が欲しいんです。
蟹道楽はいつでもお手伝いをいたしますwww!
by 蟹道楽 (2007-08-28 00:42) 

蟹道楽

鯉三さん
おっしゃる通りまさしくアメリカ人が表現できる極上の都会的センスだと思います。
ジャズテイスト(一種のフュージョン)をベースに洒落た音楽をつくれるのは、
ヨーロッパ人よりアメリカ人だろうな、と思ってしまいます。
ジャケットに関しては”いかにもアメリカのPOPS”といったひどい物もありますが
最近のジャケットはかなりよくつくられているように思います。

「up for it」本当にいいアルバムだと思います。
キースの最近の演奏は年々シンプル&ストレートなものになってきているように感じます。
その中でこの「up for it」はシンプル&ストレートな美しい演奏だと思います。
by 蟹道楽 (2007-08-28 00:43) 

蟹道楽

びっけさん
>>人生の‘夏’も終わってるもんなぁ・・・

サムエル ウルマンの”青春の詩”という詩があります。
「青春とは、ある時期の年齢を云うのではない。心の持ち方を言うのだ。
人は年を重ねただけでは老いない。希望失った時に老いるのだ。
希望を持ち続けることが青春なのだ」

まだまだ”夏”真っ盛りの気持ちでいきましょう!

“Antonio's Song”はいろいろなミュージシャンがカバーしていますからね~
by 蟹道楽 (2007-08-28 00:43) 

蟹道楽

kotoさん
そ、それは・・・最も、もの悲しい。
三段のアフタヌーンティーセットのせいですよ!
by 蟹道楽 (2007-08-28 00:43) 

彼は〝SOULシンガー〟と言っても最近の人なので、
'60~'70sのめちゃめちゃSOUL!よりも、仰せの通りHIP HOPなどの
要素も含み、ダンス・ミュージックに近い音を作る人だと思います。
わざわざ試聴してみて頂いたんですね。
自分も、たまーに爽やかな心地好さを求める時には必ず聴いてしまいます。
by (2007-08-28 01:20) 

蟹道楽

ぞうの国のあるじ さん
再度、ご訪問&コメントありがとうございます。
僕らの世代ではソウル=オーティスやマービンゲイ、スティービーワンダーなんですね。
HIP HOPといえばアフリカバンバータやRUN DMC!
アルリカバンバータ&ジェームスブラウンの”ユニティー”なんか最高でした!(古すぎて解りませんよね!)
by 蟹道楽 (2007-08-29 01:19) 

(。・_・。)2k

やれUVだとか騒がれるようになって以来
肌の露出が減った気がするのが此処の所の夏の壱番物悲しい部分な気が
あんなにワクワクして迎える夏休み
日曜のサザエさんの数倍物悲しさがありますね、、、この時期、、、
by (。・_・。)2k (2007-08-29 03:54) 

蟹道楽

2kさん
そうなんですよね~
お肌が・・・
UVが・・・
そんな世知辛い世の中になってしまいました(涙)
by 蟹道楽 (2007-08-30 00:53) 

またまた再訪、失礼致します。

>アルリカバンバータ&ジェームスブラウン

大丈夫です! 一応、HIP HOPクラシックとして聴きました。(爆)

最近は、(中には変なのもありますが)いい意味でのミクスチャー音楽が
増えてきていると思います。
by (2007-08-30 02:09) 

蟹道楽

ぞうの国のあるじ さん
いらっしゃいませ!
さすがにアルリカバンバータ&ジェームスブラウンをご存知だったのですね。
HIP HOPクラシック・・・というのが悲しいですが・・・w
あの12インチシングル(これまた古い)を聴きこみました。
僕はあまり詰め込み過ぎの音より、シンプルなリズムが好きですね。
by 蟹道楽 (2007-09-01 12:53) 

ぐれなでぃん

私は春~夏にかけて好んで聴いていた気がするM・フランクス・・・♪
なんか気だるい感じが大人な気分にさせてくれます^^!
秋はもっと深まって人恋しいような肉まんあんまんの季節がやって来るような、その頃が好きです。。夏の終わりは寂しい(T_T)
by ぐれなでぃん (2007-09-07 21:08) 

夏の終わり、寂寥感がこみ上げてきますよね。
大人になると、夏もあっという間に終わってしまって…
寂しさもひとしおです。
by (2007-09-10 04:53) 

蟹道楽

ぐれなでぃん さん
確かに春~夏にかけてもマイケルフランクスは良くあいますね。
けだるさがマイケルフランクスのウリですので季節の変わり目が似合うのでしょうね!
但し、豚マンの季節には似合いませんね!
by 蟹道楽 (2007-09-11 00:58) 

蟹道楽

りょんさん
夏に寂しさを感じるようになったら・・・
お・と・なですよ!
ジャズと寂しさが解る、りょんさんは”いい女”なんでしょうね!
by 蟹道楽 (2007-09-11 01:01) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

夏休みピアノは打楽器・・・ ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。