喫茶店のナポリタン [Fusion]
喫茶店で食べるナポリタンスパゲティは不思議なことに、どこで食べても同じ味だった。
僕は浪人時代、ナポリタンをよく食べた。
以前の記事で紹介した思い出の喫茶店で一週間の半分位はナポリタンを食べていた。
この喫茶店の常連客になった僕は、たまに店番を任されるようなった。
そして注文があれば喫茶店のママから伝授されたナポリタンを作っていた。
ママから伝授されたナポリタンの作り方は・・・
バターでたまねぎ、ビーマン、マッシュルーム、安いハム(ロースハム等の高級なハムは
使わない! 赤っぽい安いハムのほうが合う)を炒める。
湯で溶いた少量のマギーブイヨンを入れる。
ケッチャップと少量のウスターソースで味付けする。
最後に少々炒めて香ばしい感じにする。(ここがソースを絡める一般的なパスタとは違う)
最近は喫茶・軽食という昔ながらの喫茶店が無くなってきた。
そのため、喫茶店のナポリタンを食べる機会が無くなってきた。
街には本格的な美味しいパスタのお店がいっぱいある。
しかし、無性に喫茶店のナポリタンを食べたくなることがある。
表現が悪いが、あの”安っぽい味”が忘れられない。
先日、とあるショットバーのBGMでシャカタクが流れていた。
この手の音楽はBGMと呼ばれ熱心な音楽ファンからは敬遠されがちである。
そもそもフュージョンという言葉さえ嫌う”ジャズファン”は全く認めないのである。
このアルバムがヒットした頃、バブルの始まりを予感させる80年代初頭。
田中康夫の”なんとなくクリスタル”や「マル金、マル貧」という流行語を生んだ
”金魂巻 ”によって”マル金の洒落たライフスタイル”に憧れた時代だった。
またDCブランドが流行って街を歩く20代はみんなダーク系の服で着飾っていた。
とにかく”軽い時代”だったのだ。
”シャカタクのナイトバーズ”の”軽さ”はまさしくこの時代を象徴する音楽だった。
DCブランドで着飾った僕らは渋谷や自由が丘のカフェバーで”洒落た気分”を
味わっていたのだ。
といっても、学生や兄ちゃんばかりのガキ相手のカフェバー。
所詮は2流のカフェバーだった。
しかし、僕らの気持ちは”洒落たライフスタイルもどき”を本気で満喫していた。
これらのカフェバーのBGMにシャカタクはよく流れていた。
シャカタクには毒も癖も全くない。
”音楽はある程度、アバンギャルドなところが無ければならない!”
少なからずとも音楽にこだわりを持った僕はこの”BGM”を聴く事に抵抗があった。
しかし、聴いてみるとなかなか心地が良い。
アルバム全体は”ファンクもどき”のリズムで味付けされた仕上がりである。
”アカ抜け”てはいないが、お洒落っぽいアレンジと、曲の出来がいいのだ。
シャカタクを聴くと、背伸びした学生時代のカフェバーを思い出す。
”B級品”も本物に思えたあの頃は”ほのぼのとした時代”だった。
銀色のスティールの皿に盛られた軽食・喫茶店のナポリタンスパゲティ。
粉チーズをたっぷりかけて食べるのが好きだった。
”喫茶店のナポリタン”と”シャカタクのナイトバーズ”
”B級グルメ”の魅力で、年に何度か僕の体が要求するのである!
☆ こんにちは。「金魂巻」は当時読みました(抱腹絶倒)。当時はあれが嫌味や見栄ではなく,逆さまの貧乏自慢として楽しむ余裕があったからです。それがバブルが進むにつれてシャレでなくなっていったのは今更申し上げるまでもない(^^;)。。。真ん丸顔のイラストの渡辺和博「画伯」も今年亡くなりました(1950年2月26日 - 2007年2月6日)。訃報の見出しには「金魂巻」の三文字が,しっかり載っていました。。。では(^o^)。
by deacon_blue (2007-10-07 05:43)
私も「金魂巻」を読みました。自分の生活は更に丸貧以下だったので驚愕したことがあります(笑)。
ナポリタンも懐かしい!実は、市内に今でもあのナポリタンを出す喫茶店がありまして、時々(否、ちょくちょく)食べに行っています。
by krause (2007-10-07 07:44)
懐かしい・・・
この曲が流行った頃は、皆バブリーでしたねぇ。(笑
でも、私はビンボーの真っ盛りでした。
東京1年目あたりですから、給料手取り1万円だった。
フュージョン聞きながらカフェバーで遊ぶ・・・
とは程遠い生活でした。
だからこの曲は、私にとってお金が無かった時代の象徴です。
でも、楽しかったなぁ・・・
by たいへー (2007-10-07 07:50)
名古屋の方じゃまだ普通にありますョ。
こちらだと鉄板に乗せるイタリアンってのが主流ですけど。
学生街は安くてたくさん食べられる店がいっぱい。
by nico (2007-10-07 09:34)
喫茶店のナポリタン、DCブランド(僕は一切着ませんでしたが)、カフェバーにシャカタク・・・ああ、何て懐かしいんだ。
全てを無理なくまとめる蟹道楽さんの編集力、毎度のことながらお見事!
世の中のごく一部では、バブルの再来か?と囁かれる今日この頃、色々あった80年代を、ゆっくりと思い出させてもらいました。
by ベアトラック (2007-10-07 09:55)
喫茶店のナポリタン
一緒に遊んでいた男の子たちは大好きでしたね♪
いまだにお友達のブログでは「ナポリタン」を懐かしむ記事や
コメントがいろいろあって、私もついでに楽しませてもらっています
「安っぽい」これは若かったあのころには必須のキイワードですね
だからこそ懐かしい、慕わしい・・・
シャカタク・・・安っぽいのか~
でも私は当時からとても好きでした
今でもよく聴きますよ♪ 音楽って「心地よい」ことが大きな要素なので
飽きることなく私は聴き続けています
あまり時代の動きに関心がなかったので「好きなもの」だけ
大切にしています
by かおり (2007-10-07 12:21)
deacon_blue さん
あの頃、金魂巻は笑いながら読みましたが、実は洗脳されておりました(笑)。
現在、貧乏を笑えなくなった世の中になってしまいました・・・
渡辺和博という名前すら忘れていましたね。
可愛いイラストでしたよね!
お亡くなりになっていたとは。
by 蟹道楽 (2007-10-07 19:51)
Krause さん
貧乏ということを笑える時代だったのです。
景気がよくて?みんな中流意識を持っていたので中流意識を持っていた人達が「僕は貧乏や~」といって笑っていたのでしょうね。
現在は・・・
マル金、マル貧が勝ち組、負け組みに変わってしまって、貧乏よりひどい負け犬になってしまいました。
ひどい世の中になってしまいました。
by 蟹道楽 (2007-10-07 19:56)
たいへーさん
以前たいへーさんの記事で読ませて頂いた、必死に練習して大会に出場する頃でしょうか?
僕の場合は決して金を持っていたわけでなく、毎日(学校にも行かず)バイト三昧でした。
結構、ぼんぼん大学だったのでお金持ちの友人ばかりで、付き合っていたらバイトの金をすべて、遊びにつぎ込んでいました。
by 蟹道楽 (2007-10-07 19:59)
nico さん
確かに鉄板に乗せたナポリタンのありました。
そうですか、名古屋はナポリタン天国なんですね!
こちらもさがせばナポリタンを出す喫茶店はあるのでしょうが・・・
なかなか初めての喫茶店って入りにくいものでして・・・
by 蟹道楽 (2007-10-07 20:02)
今晩は~♪
懐かしいです。
よく流れていましたねこの曲。
心地がよくよくBGMにしていました。
ナポリタンも懐かしい~♪
ナポリタン=シャカタクの取り合わせが楽しいさいっぱいで笑ってしまいました。
でもシャカタクは、私にとってはもう少しお洒落な雰囲気がありましたね。
by のらりくらり (2007-10-07 20:15)
こんばんわ。
私の中では、ナポリタン>シャカタク・・・かな?
って、分野が違うけど・・・。(^^;
ナポリタン、今も大好きです。
さすがにお店で食べることはなくなって、今は家で作って(作ってもらって!)、月二回は食べています。(笑)
シャカタクを聴くと、田舎のカフェバーもどきで、わけもわからずシッタカブッダでカクテルを頼んでいた当時を思い出しますね。
by びっけ (2007-10-07 22:35)
ベアトラック さん
DCブランドといってもショボいものばっかり買って悦に浸っておりました。
バブルの再来・・・
全く実感がわきません。
儲かっているのは大企業と銀行だけですから・・・
こちらは”締められる”いっぽうです!
by 蟹道楽 (2007-10-08 00:47)
青い花さん
申し訳ございません、シャカタクは安っぽいと言ってるわけではありません。
音楽を芸術作品として捉えるとやはり”軽く”感じてしまうのです。
試行錯誤して作り上げた作品は”メッセージ”を感じられるのです。
>>音楽って「心地よい」ことが大きな要素!
おっしゃる通りです。
僕の変なこだわりが、青い花さんのように純粋に音楽を楽しめなくなっているのかもしれませんね。
学生時代に東京に出て”浮かれた”為、一生懸命に時代を感じよう(流行に乗ろう)としていたのです。
by 蟹道楽 (2007-10-08 01:05)
のらりくらり さん
ほんとうにこの曲はよくBGMで流れていました。
おっしゃる通りお洒落なお店のBGMになっていましたし、一方ではラーメン屋のBGMとして聞いた事もありました。
この曲は不思議とどんなシチュエーションでも対応できたのです。
ただし、夜のカフェバーが一番似合いましたね。
by 蟹道楽 (2007-10-08 01:09)
びっけさん
どうもあの喫茶店で食べたナポリタンを家では作れないのです。
何かが違うのです・・・
僕の行きつけだった喫茶店ではケチャップが業務用の大きな缶に入ったものだったので、ケチャップの違いだろうか?と考えています。
シャカタクはやはりカクテルの友だったようですね!
by 蟹道楽 (2007-10-08 01:13)
全く同感・・・・
と言うか全く蟹さんと同じことをやっていました。
不思議ですね~
音楽の傾向もそうですが、ナポリタンもそうだったなんて・・
僕はもう働いていましたが、サテンドールという喫茶店で土日の昼は必ずナポリタンでした。具のソーセージも全く同じ・・・(笑)
そしてシャカタクも・・・・なぜか聞きました。
by 2ndLT (2007-10-08 09:10)
できたら玉ねぎは少なめでちょっとで良いです
それいつ我が家に届きますか?
by (。・_・。)2k (2007-10-08 14:55)
充実した学生生活をおくっておられたのですね?高級レストランには無い喫茶店の懐かしいナポリタンやカレーなんか思い出します。大人になったら滅多に行く機会がなくなりました。チョット淋しいですね?
by jyoji-san (2007-10-08 16:04)
喫茶店でナポリタン・・・この経験はないです。
短大生の時はあんまり寄り道しない(本屋だけは行きましたが)
人間だったので、せいぜい学食かコンビニくらいかも。
アルバイトも季節だけという少女でした。
うちの母がうどんをケチャップで炒めた「なんちゃってナポリタン」を
よく作ってくれましたが、具をいれない「素」ケチャップうどんが
安っぽくて好きでした。(貧困な食生活だわ~)
by (2007-10-08 21:05)
2ndLT さん
ありがとうございます。
何かと気が合いますね~
サテンドールという喫茶店はJAZZ関係でしょうか?
三宮にサテンドール神戸という良いお店がありまして、こちらはJAZZのライブハウスです。
by 蟹道楽 (2007-10-08 23:53)
(。・_・。)2kさん
僕はタマネギがいっぱいのナポリタンが好きですね!
東京出張の時までお待ち下さい!(笑)
by 蟹道楽 (2007-10-08 23:55)
amaguriさん
充実した学生生活というか、しっかりバイトしてしっかり遊んで、めったに学校に行かない一般的?な文系の学生でした。
地方出身者らしく東京を満喫致しました。
最近は喫茶店に入らなくなりました。
by 蟹道楽 (2007-10-09 00:00)
しゃおたお さん
短大に行かれた方は勉強が忙しくて遊ぶ暇が少ない!と知り合いの子がグチを言ってたのを思い出しました。
さすが、清楚(←強調)な麻さんは寄り道をするようなことが無かったのですね!
僕の人生は全て寄り道です・・・・・
うどんナポリタン!
小学生の時の給食で”ソフトめんのナポリタン和え”という”細うどん”がありまして大好きでした。多分同じようなものでしょうね!
麻さんのお母様のナポリタンはさぞかし美味しいのでしょうね!
by 蟹道楽 (2007-10-09 00:07)
xml_xsl さん
いつもありがとうございます。
by 蟹道楽 (2007-10-09 00:28)
ナポリタン!
懐かしいですね。
今でも、たまに食べたくなります。
私の思い出のナポリタンは、
やはり母が作ってくれたものでした。
私の母は料理が不得手(というか、寧ろ下手)だったので、
いつも麺が茹ですぎだったんですよ。
でも、美味しかったなあ…なんて思います。
by (2007-10-09 08:10)
サテンドールはJAZZ喫茶です。
ここはローカルで北海道の恵庭市と言うところにありました。
でも、ここではたくさんのライブをやりました。
山下洋輔、板橋文雄、坂田明etc・・・
楽しいお店でした。
嫁さんと知り合ったのもこの店がきっかけでした。(笑)
by 2ndLT (2007-10-09 20:57)
りょん さん
ありがとうございます。
自分の母親の料理というのは自分の味覚のルーツであり、一番馴染んだ味です。
りょん さんのお母様が作ってくれたナポリタンが、今食べると”コシの強い”しっかりした麺だと???と感じるのではないでしょうか?
やっぱり、りょん さんにとってちょっと柔らかめの麺がお母さんのナポリタンで一番美味しいのでしょうね!
by 蟹道楽 (2007-10-10 00:29)
2ndLT さん
再度コメントを頂きありがとうございます。
サテンドールはやはりJAZZのお店だったのですか!
僕が学生の頃まではJAZZ喫茶もまだあってたまにライブがありましたね。
今にして思えば、JAZZ喫茶のライブはノンマイクであの近距離で聴く演奏(特にドラム)は凄いものでした。
ブルーノートもぶっ飛びですね!
奥様との思い出のお店とは!
大切な思い出のお店だったのですね!
by 蟹道楽 (2007-10-10 00:33)
ナポリタン派としては、うれし過ぎる記事です。どこで食べても同じ味。鉄板が熱くて最初は大体、味がわからない。ナポリタンを食べてる自分が好きです。
それと、シャカタク。カシオペア、スクエアと並ぶ「美・G・M」三羽烏ですね。私も最初、抵抗がありました。コピーやってる軽音連中のダサいこと。でも、テレン、テン、テン、テン、テレーのイントロと「フライン・トゥ・ザ・ナーイ(中略)トゥ・ザ・シティライツ、ナイ・バーズ・・」の女性コーラスを聴くと、「エ、エ、エエ曲やないか」と認めざるをえません。男女7人とか、バブルのころを思い出します。
by (2007-10-10 05:30)
読んでいて胸がきゅんとしてしまいました。
懐かしくもほろ苦い記憶...そういう時代だったのですね。
>僕らの気持ちは”洒落たライフスタイルもどき”を本気で満喫していた。
本当にそうでした。バーボンの銘柄を覚えたのもこの頃です。
今思うと安っぽいナポリタンも、昔はちょっとハイカラ(死語)な食べ物だったに違いありません。先日台北でチェーン展開しているイタリア料理の店でナポリタンを食べたばかりです。うまかったです。
シャカタクはスパンダー・バレーよりはるかにいいと思います。低いレベルの話ですが。
by 鯉三 (2007-10-12 00:26)
お久しぶりです・・・
この曲聴いた事ありです!お酒がなくてもいい気分になれそう♪
ナポリタン大好き!しかも道楽さんと同じように昔ながらの・・・が!!
銀皿はフォークで傷がついちゃうんだけど、それがまた味わいがあって・・・
風邪の治りかけにナポリタン食べると一機に元気になる私です^^!
by ぐれなでぃん (2007-10-12 21:47)
つんさん
ナポリタン派ですか!
やはりナポリタンは根強い人気がありますね!
最近僕はナポリタンを食べる機会が無くなったというかお店が無くなった・・
というか、喫茶店に入らなくなりました・・・
「美・G・M」と言う言葉も懐かしいですね。
たしか、シャカタクのレコードレビューに書いてありました。
しかし、カシオペアとかは全く聴きませんでしたね(笑)
by 蟹道楽 (2007-10-13 01:28)
鯉三さん
今にして思うと恥ずかしい限りです・・・
でも、あの頃は本気でお洒落をしていると思ってました(涙)
若気の至りですね。
バーボンがお好きなのですか?
詳しくはありませんが、ウイスキーよりバーボンの方が好きですね!
ancient age が好きですね。
SupandauBalletはほとんど聴いことがありませんので解りませんが、ヒット曲の”TRUE”は結構、好きですよ。
by 蟹道楽 (2007-10-13 01:31)
ぐれなでぃん さん
お久しぶりですね!
ぐれなでぃん さんはやっぱ、お若いですね!
僕ら世代はこの曲を知らない人がいないくらいに有名です。
やはりナポリタンは人気者ですね!
僕にとってのナポリタンは”銀皿”の盛り付けが一番ですね!
by 蟹道楽 (2007-10-13 01:35)
こんばんは。
ナポリタン…シャカタク…ノスタルジーのはずなのに
頭の中には「愛しのナポリタン」が流れていました。
by はーく (2007-10-26 03:20)
音楽の趣味、あんまり良くないですね
by diary (2007-10-26 16:09)
はーくさん
お返事が遅れて申し訳ございませんでした。
先日「愛しのナポリタン」を初めて聴きました。
なるほど、こういうナポリタンの音楽もあるのですね。
by 蟹道楽 (2007-11-09 00:19)
diary さん
音楽の趣味が悪いですか?
ご気分を損ねたようで申し訳ございませんでした!!!
by 蟹道楽 (2007-11-09 00:22)