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ROSE COLOR [POPS]

携帯電話でFMが聴けるようになったおかげで、最近は頻繁にFMを聴くようになった。
FMを聴くようになって感じる事がある。
最近は『新しい曲』より『懐かしい曲』に反応する傾向になってきたのだ。

先日、FMで久しぶりに『ロゼカラー』を聴いた。

 

僕は就職して最初に配属になったのが東京支店。
一年後には希望通りに大阪に転勤になったのだが、その一年後には『半年間の出向』
ということで、また東京支店に戻ってきた。

出向の間、住居は川口市にあった会社の寮。
学生時代からずっと目黒区に住んでいたので埼玉や城北地区は初めての地。
暇な休日は、目的もなく車で地域探索をしていた。

ある日の事、その休日も目的もなく車で出かけていた。
たしか池袋周辺だったと思う。
信号待ちの時、隣の斜線に止まった車の運転手と目があった。
「あれ? 見覚えのある顔・・・」と思っていたら隣の運転手もこちらを見ている。
すると、その運転手が僕に向かって手を振ってきた。

大学時代、同じゼミにいた女性だった。

車を側道に停めて車から降りてきた彼女の第一声に意外な感じがした。

 「何してんの?」  と彼女は聞いてきたのだ。

3年ぶりにあった同級生、それも広い東京の街中で偶然会ったのである。
普通なら、 「久しぶり~!」 とか言って驚くのではないだろうか。
しかし彼女は頻繁に会っている友人のように気楽に声をかけてきた。

とりあえず、ファミレスに入って雑談をした。

彼女は普通のOLさんで実家から通っているとのこと。
また驚いた事に、彼女の実家は僕の寮から徒歩10分少々の距離。
そして実家は食堂をしているということだった。

「うちのお店は美味しいので食べに来てね!」と言われた。

次の休日、僕は彼女の実家の食堂に行ってみた。
もう閉店前の遅い時間だったので、客は僕しかいなかった。
ひとりでご飯を食べている時、偶然に彼女がお店に現れたのだった。
風呂上りだったのだろう、Tシャツ一枚で濡れた髪だった。
僕を見るなり、「早速、来てくれたんだ!」と嬉そうに言った。
話をしていたら厨房の中のお父さんが出てきて、彼女は僕を紹介してくれた。
お父さんは僕の紹介を聞くより、彼女の姿を見てため息をついていた。

「あられもない姿で人前に出て・・・・・」

その日から夕食は彼女の実家の食堂に行くようになった。

だいたい僕は遅い時間にお店に行って定食とビール1本注文した。
閉店に近い時間は客もほとんどいない為、彼女のご両親とよく世間話をした。

また、彼女とお店で雑談している時、彼女は一緒になって僕のビールを飲んでいた。
それを見ていたご両親は悪いと感じていたのか、度々ビールをサービスしてくれた。


彼女は僕の寮に遊びに来る事もあった。
独身寮に興味深々のようで建物の中をウロウロ歩き回っていた。

男だけの独身寮に若い女の子がウロウロしていたら・・・・・

彼女の話では、住んでいる男のほうがビビッてしまうという事だった。
廊下で彼女にあった社員は一様に驚き、「どうも・・」と小さく会釈するらしい。

ある日、仕事を終えて寮に帰ってみると彼女はロビーのソファーで眠っていた。
海外旅行に行ったらしくお土産を持ってきてくれたのだが、テレビを見ながら待ってる
うちに寝てしまったらしい。

このように彼女は、まったく物怖じしない図太い性格だった。

彼女は大のカラオケ好きでその物怖じしない性格のため、歌いだすと止まらない。
とにかく流行りの歌謡曲をよく知っていた。
何度かカラオケを付き合わされたが、僕にとって歌謡曲は未知の分野だったので、
カラオケを聞いてもよく解らなかった。

その頃、歌謡曲のヒット曲で唯一知っていたのが中山美穂のロゼカラー。
ちょうどその頃、資生堂のCMで、このロゼカラーが流れていた。

 

  

僕はこの曲が好きだったし、この頃から美人になった中山美穂のCMも好きだった。
その事を彼女に言うと彼女が持っていたロゼカラーのCDシングルをくれた。

このCDシングル、CDのプラスティックの部分がピンク色なのだ。

  ロゼカラー.JPG.JPG


僕は『少女趣味というか、いかにもアイドル歌手らしいな!』と言うと、彼女は『いかにも
アイドルぶった、このような演出は、わざとらしくてイヤだ!』と言った。
”なるほどいかにも彼女の意見らしい!”と思って聞いたことをおぼえている。

学生時代、同じゼミだったが彼女はおとなしく目立たなかった。
僕のゼミは遊び人が多く飲み会やレジャーを頻繁に行っていた。
彼女は、”あのチャラチャラした雰囲気があまり馴染めなかった”と言っていた。

学生時代とは違って、この出向の半年間、僕は彼女とよく話をした。


そして、出向も終わり僕は大阪に帰ることになった。

僕が帰る時、『少しは残念がってくれるかな・・・』と多少期待?をしていたが・・・

笑顔で彼女に「もう、二度と会えないかもね!じゃ~ね!」とあっさりと言われた。

飾らなく、裏表の無い性格の彼女とは気を使うことなく付き合いやすかった。


その後、彼女と電話をする事もあったが、いつの頃からか連絡も途絶えてしまった。
彼女の言ったように、それから一度も彼女に会っていない。

FMで”ロゼカラー”を聴いて、久しぶりに彼女やあの食堂の事を思い出した。
もうあれから20年の歳月が経っている。
彼女や彼女のご両親はお元気なんだろうか?

昔、あの食堂で彼女や彼女のご両親と世間話をした頃が懐かしく思えた。

 


昔、僕は懐メロ番組を見ながら一緒に楽しそうに歌う祖母を見て笑っていた。

しかし、僕もだんだんと昔の曲を聴いて懐かしむようになってきたのかもしれない。

 


もう一枚、彼女からもらったCD

CATCH THE NITE /  中山美穂 (廃盤)

  catch_the_nite.jpg

角松敏生がほとんどの曲を書き、全面プロデュースしたこのアルバム。
内容は中山美穂のボーカルを極力抑えてシンセによるオーケストレイションを
前面に出した、まさに角松敏生が趣味で作ったアルバムのように感じる。

彼女はヒット曲の「Catch Me」が聴きたくてこのアルバムを買ったらしいが、
歌謡曲っぽくない、このアルバムはが面白くなかったらしい。


いかにも角松といった、しっとりしたバラードがいい。
FAR AWAY FROM SUMMER DAYS  /  中山美穂

 

 

 

DON'T BE AFRAID / CINDY (廃盤)

  CINDY.jpg

ロゼカラーの作曲者、CINDY。
その昔、ロゼカラーのセルフカバーが入っているということで買ったアルバム。

ROSE COLOR  /  CINDY

 


  
CINDYは以前、山下達朗のコンサートのバックボーカルで見たことがあった。
この”ROSE COLOR”を聴けば、この曲はやはり良い曲だと感じてしまう。
僕はCINDYの癖のない歌い方や声質が好きだった。
しかし残念ながらCINDYは数年前、亡くなってしまった。

 


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コメント 22

たいへー

そういうサバサバした娘は、好きだな~~。
何の気兼ねもなく付き合えますからね。
そういう点、男の方が意外とジメってる部分はあるよね。
・・・あれ? ちょっとは期待してた?(笑
by たいへー (2008-06-28 10:21) 

ベアトラック

川口市ですか・・・親戚があります。もう10数年出向いてないので、ちょっと懐かしくなりました。キューポラや町工場はほとんどなくなって、高層マンションだらけになったと聞きました。
私は、ゼミもサークル活動もしいなかったので、大学時代の懐かしい思い出があまりなく、チョット残念ですね。

by ベアトラック (2008-06-28 10:39) 

青い花

蟹道楽さんは彼女のことが好きだったの?
中学時代から結婚するまで、私の親友たちはほとんど男の子だったので
私にはその彼女の感覚がよくわかる気がします♪
前の記事で「少年の単純さ」って言ったけど、「深さ」もよく知っているつもりですよ^^
少なくとも彼らは「好きな女の子たち」には見せない部分をたくさん私にさらけ出してたはずでしたから・・・・(ちょっとメイワク)
かなり密接な付き合いをしていましたが彼らはすべて友人
ダーリンとは別格ですもの~★(笑)

この当時のアイドル歌手のことはほとんど知りません
どちらも聴いたことがありませんでした
美穂ちゃんは好きですけどね♪


by 青い花 (2008-06-28 12:24) 

koto

お友達だったんでしょ~?
ひとかたならぬお世話になったんだから、東京に行った折には手土産持って挨拶に行かなきゃ~
行ってないということは好きだったのかな?
CATCH THE NITEの美穂ちゃんは変な顔してるね。
by koto (2008-06-28 18:45) 

しゃおたお

女子校→短大出の私にとって”男友達”というものは存在しなかったです。
甘酸っぱいような想い出ですね~
「あられもない姿」・・・実家にいた頃、よく母親に怒られてましたよ、私も。
by しゃおたお (2008-06-28 21:38) 

bluebird

私、角松敏生と飲んだことあるんですよー。
ダイビングでサイパンに行った時、同じホテルのプールで遭遇。
私たちグループの男性陣が彼のファンで、サインが欲しいから私に行ってこいと・・・女の子の方が、快く応じてくれそうだからと。
少しお話をしたら、角松さんは一人でダイビングなので、ボートに同乗したいということになり、2日間一緒に潜りました!
酔っ払って、ホテルのラウンジで弾き語りしてくれたんですよ。
大好きな「You're My Only Shinin' Star」と「Mermaid Princess」を。

「You're My Only Shinin' Star」は、彼が中山美穂に提供した曲で、一番好きです。

by bluebird (2008-06-28 22:09) 

びっけ

こんにちは。
曲にまつわる想い出って、人生の宝物だと思います。
いい話・・・ほろ苦いような甘酸っぱいような、恋バナとして読ませていただきました。

そうかぁ・・・男子寮は女子禁制ではないんですね。
by びっけ (2008-06-29 00:32) 

蟹道楽

たいへー さん
確かに友人としては女より男の方がジメジメしていることが多いかもしれませんね。
しかし、彼女はサバサバし過ぎて色気がありませんでしたね。
>>あれ? ちょっとは期待してた?
男ってそんなもんでしょう~
by 蟹道楽 (2008-06-29 19:49) 

蟹道楽

ベアトラックさん
川口市つながりですね!
JR京浜東北線で通ってましたが、荒川の鉄橋を渡るとき、多くの工場があったことをおぼえております。
上野方面には川口は下手な東京より通勤しやすいんですよね。
僕はゼミやサークルのおかげで危うく5年通学しそうになりました。
by 蟹道楽 (2008-06-29 19:55) 

蟹道楽

青い花 さん
女の子が大好きな蟹道楽です!!!
風呂上りのTシャツ一枚で現れた時は、危うく「好きです!」と言いそうになりました (笑)
まあ、その程度ですかね。
青い花さんのお友達のように(メイワク)をかけたつもりはありませんが同じように結構、半年間は仲良しになりました。(正直、よく解らんコでしたが)


by 蟹道楽 (2008-06-29 20:01) 

蟹道楽

koto さん
いや~そんなに世話になったつもりは無いのですが・・・
まあ、ご両親にはビールのカリがあるかも。
東京へは出張で行くだけで、何分時間も無いので埼玉へはなかなか行けませんね~
あのジャケットの美穂ちゃんは確かに変な顔です。
by 蟹道楽 (2008-06-29 20:06) 

蟹道楽

しゃおたお さん
>>女子校→短大出
素晴しい!
憧れる経歴ですね~
しゃおたお さんの”あられもない姿”!!!
ありがたや!ありがたや!
ぜひとも拝ませて頂きたいものです。
by 蟹道楽 (2008-06-29 23:55) 

蟹道楽

bluebird さん
やはり、そのような場面では女子大生の力は絶大ですね!
僕の知り合いの女性が角松敏生の知り合いだという事を聴いた事があります。
その女性は角松敏生のアルバムのバックボーカルでレコーディングに参加したという事でした。
その女性が女子大生の時です。
実は角松敏生は女子大生マニアだったのかも?
by 蟹道楽 (2008-06-30 00:00) 

蟹道楽

びっけさん
>>曲にまつわる想い出は人生の宝物
まさしくその通りだと思います。
曲を聴くと忘れていたその当時の事を鮮明に思い出されますから。
この度の事は、たいして際立った出来事は無かったのですが、忘れていた懐かしく、楽しかった思い出です。
by 蟹道楽 (2008-06-30 00:09) 

蟹道楽

Qooさん
ありがとうございます。
by 蟹道楽 (2008-06-30 00:10) 

蟹道楽

xml_xslさん
ありがとうございます。
by 蟹道楽 (2008-06-30 00:11) 

ぐれなでぃん

なんてドラマッティック\(◎o◎)/!
だけど色っぽい方には発展しなかったのですね・・・
気さくな彼女も素敵だけど、蟹道楽さんのお人柄ゆえなのでは・・・!
ミポリンは歌唱力は・・・だけど雰囲気があって綺麗ですよね!
あ、それから『愛のコリーダ』は観たわけじゃないョ。。
by ぐれなでぃん (2008-06-30 11:55) 

蟹道楽

ぐれなでぃん さん
面白い女性でしたが、色っぽい展開は無いような女の子でした。
でも、やはり最後くらいは異性としては『寂しくなるね』くらいは思って頂ければちょっとは嬉しかったのですがね。
>>『愛のコリーダ』は観たわけじゃないョ
ホントですか?(笑)



by 蟹道楽 (2008-07-04 00:32) 

鯉三

↑青い花さんはストレートですね。
わたしなんか、そう思ってもそう言えないなあ。
曲が昔の映像を呼び起こすことはよくありますが、こんな思い出だとやっぱり記事にしたくなりますね。じっくり読めました。蟹道楽さんの真骨頂を見た気がしました。
by 鯉三 (2008-07-14 01:19) 

蟹道楽

鯉三さん
ありがとうございます。
青い花さんは速球投手ですから、変化球は投げてくれません(笑)
僕としてはあまりその気は無かったのですが、文章にするとそのように
感じるのでしょうか?

by 蟹道楽 (2008-07-17 01:04) 

funkorogashi

うぉーっっっっっ!!!!!!!
この曲、聴くの18年ぶりくらいですっ。
CINDYの曲ってことは知ってたけど、ROSE COLERって
曲名だったってことはたった今知りました。
ずーーーっと探してたんです。
中山美穂に書いた曲のセルフカバーだったとは、
またまた驚きです。
実は私も20年前位に川口に住んでいたことがありまして、
(しかもその前は目黒区に住んでました。)
その時に自宅のFMからこの曲が聞こえて来たんです。
ワンコーラスですっかり魅了され、すぐに途中からテープに録音
して、その半端な状態で、当時、ヘビーローテーションで聞いてました。
ところが半年くらいでそのテープがどこかへ行ってしまったんです。
それで、曲名もわからないままレコード店でCINDYのエンジェルタッチと
いうアルバムを買ってみたんですが、この曲入ってなくて
がっかりしたのをよく覚えています。
なんか当時のことを思い出して、少しうるっと来てしまいました。
本当にありがとうございます。

by funkorogashi (2009-03-07 05:21) 

蟹道楽

funkorogashi さん
コメントありがとうございます。
音楽好きな僕も昔からFMで偶然に聴いて、琴線に触れた曲でいまだに探し続けている曲が何曲もあります。
しかしながら忘れてしまっていた曲もたくさんあります。
ところが偶然にその曲の曲名やミュージシャンが解った時はやはりうれしいものです。
以前は探しても探しても全く解らなかった曲も最近はネットのおかげで、十数年ぶりに探し当てる事ができるようになりました。
自分としては何年かかけて、探していた曲が見つかった時の喜びはひとしおです。
この度、少しながらも funkorogashiさんのお役に立てた?としたら僕にとってうれしいことです。
ありがとうございました。

追伸 : CINDYのこのアルバムは現在は廃盤のようですが、中古レコード屋で何回か見たことがありますし、アマゾンでも中古盤を売っているようですね。
by 蟹道楽 (2009-03-11 01:20) 

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