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神業の領域 [ROCK]

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薄暗いステージに JEFF BECK が現れた。

高まる気持ち!

なんといっても約4年ぶりのコンサートである。

そしてスポットライトが JEFF BECK を照らした瞬間!!!

 ”笑ってしまった”

昔からJEFF のファッションセンスは???だったのだが・・・

ブーツ姿の JEFF BECK は首からスカーフを巻き、ズボンの後ろポケットの
あたりにはタオルのようなものが見え隠れしている。

お洒落な若い衆だと良く似合っているのかもしれない。

しかし、JEFF がこのような格好をすると・・・・・

『スカーフは手ぬぐい』で『ブーツは地下足袋』にしか見えない。

つまり『土建屋のおっさん』か『明るい農村』といった風貌なのだ。

しかし、オープニングの『Beck's Bolero』が始まると『土建屋や明るい農村』
のイメージは吹っ飛んでしまった。

64歳の JEFF は若々しくポジティブで刺激的な”ロックの音”を聴かせてくれる。

JEFF 特有のアームとスライドを多用した音はギターの領域を超えた音で今更ながら
あのハーモニクスの美しさは神業の領域と感じるのだ。


今回のコンサートのもう一つの見所はベーシストの”TAL WILKENFELD”

一見、女子高生に見えるほどオボコい顔をした若干22歳の女の子。

  タルちゃん.jpg

今や彼女は『中年ロックおやじ達』の間では”タルちゃん”とよばれアイドルに
なっているのだ。

ベース歴4、5年で22歳の彼女は、その外見とは裏腹に Chick Corea やこの度の
JEFF BECK のツアーに抜擢された天才少女なのだ。

ジャコの影響されたという彼女のベースの音色はジャコに通じるものを感じるが
ジャコのように”アク”の強い演奏ではなく、きっちりとリズムを刻む演奏だ。

その”タルちゃん”は演奏の合い間にステージにべったり座りこむのである。
その姿は正に駅やコンビニの前で地べたに座っている日本の若者達のようだ。
この世代の若い衆は世界的に地べたに座り込む習性があるのだろうか?

ステージでのタルちゃんは JEFF 以下、全メンバー達から我が娘のように可愛がら
れている様子がほのぼのとした印象的だった。

もうひとつのリズムセクションのドラムの VINNIE COLAIUTA は4年前のコンサート
のメンバーだったが、前回同様にシャープで圧倒的なパワーの演奏である。

やはりリズムセクションでコンサートの良し悪しが決まるのである。

ただ、残念に感じたのがキーボードの David Sancious。
元気がないというか、地味というか、音楽性が合ってないというか・・・
はっきり言って、他のメンバーの演奏についていけてない印象が否めなかった。
同じキーボードでも4年前の来日コンサートの Jason Rebello のような演奏を
望むのは無理だったのかもしれない。

また、音響についても低音をブーストし過ぎて本来のベース音がはっきり聴き取り
難いと感じたのである。

とはいえ、今まで観た JEFF BECK のコンサートで今回が最も JEFF の調子(ノリ)
が良かったように感じる。

とにかく、一曲に占めるアドリブの比率が非常に高いものだった。
特に『LED BOOTS』と『Blue Wind』は今までコンサートで聴いた中で最もハードで
エネルギッシュな演奏だった。

若い世代がメンバーに入る事によって、演奏も若返ったのかもしれない。

1時間35分のコンサートは短く、夢見るように終わってしまった。


コンサートは以前、記事で紹介したストーンズマニアのエロ坊主と観にいった。

ギターマニアの坊主はJEFF の演奏が終わるごとに、ひとり言をいっていたのだ。

『んん~ん・・・ワシにはあんな音が出されへん!』   (当たり前である!)

『ああ~ぁ・・・何であんなギター弾けるんやろか?』  (あんたに弾ける訳ない!)

と感動しているみたいだった。


コンサート後、坊主はCDを購入していた。

JEFF の演奏に酔っていた坊主!

僕はてっきり、JEFF のCDを買ったのだと思っていたが・・・・・


坊主の買ったCDは『タルちゃん』のCDだった。

Transformation

Transformation

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: MGM
  • 発売日: 2008/05/19
  • メディア: CD

 

この日のセットリスト

01. Beck's Bolero
02. The Pump
03. Eternity's Breath
04. You Never Know
05. Cause We've Ended as Lovers
06. Behind The Veil
07. Blast From The East
08. People Get Ready
09. Stratus
10. Angel
11. Led Boots
12. Nadia
13. Space Boogie
14. Goodbye Pork Pie Hat / Brush with the Blues
15. Blue Wind
16. A Day In The Life
 =encore=
17. Where Were You
18. Big Block
19. Scottish One
20. The Peter Gunn

 

コンサートでは最も盛り上がる”Big Block"(今回も盛り上がった!)
キーボード以外は先日のコンサートと同じメンバーでの演奏。
もちろん、ベースはタルちゃん!


Jeff Beck / Big Block


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コメント 23

鯉三

動画を見ましたが相変わらずの切れ味ですね。ギターを銃のように奏でられるのはジェフ・ベックだけかもしれません。銃といっても爆音のことではなく、あくまでも的確に一点に集中する音のことです。ますます研ぎ澄まされているような気がしました。

タンちゃんのベースは初めて聴きましたが、いい音出してますね。ジャコと比べるのは酷だと思いますが、少なくともジェフに合わせて飛べていると思いました。大したものです。
by 鯉三 (2009-02-22 20:52) 

鯉三

再度のコメント、すみません。
People Get Readyをやってたんですね。
これ聴いたら泣けるやろなあ。
by 鯉三 (2009-02-22 20:54) 

koto

64歳にしてこの肉体はすばらしいのんちゃう?

by koto (2009-02-23 00:18) 

Qoo

ベック行ってきましたか(^^)
土建屋・明るい農村 笑えます(^O^)
Blue Wind
A Day In The Life
を最後に持ってくるなんてさすがですね~

タルちゃんの方が興味あるな~(^O^)
by Qoo (2009-02-23 07:41) 

薔薇少女

『タルちゃん』可愛い~いし、カッコイイ~イッ!
誰か有名なアーチストのお孫さんとか???
YOUTUBU動画、久々にロックのライブ気分を味わいました(笑)
朝飯前に20代にタイムスリップした気分です(ワォッ)
ロックな坊さんのお友達ですね。
エロ&ロック&坊主、結構こういう坊さん、居ますよね★

蛇足:
所で鈴木茂さんが、薬で逮捕?されちゃいましたね。
残念です、大瀧さんとかは大丈夫だと信じたいです!
ロックと薬は憑き物?と云うけれどダメダメですよね。。。
by 薔薇少女 (2009-02-23 09:51) 

ベアトラック

ジャコパスよりも、ジョン・ポール・ジョーンズよりも、マーカス・ミラーよりも・・・
タ、タルちゃんがイイです(爆)
by ベアトラック (2009-02-23 17:03) 

蟹道楽

鯉三 さん
手の具合が良くないのにコメントを頂きましてありがとうございます。
感謝致します。
鯉三 さんのおっしゃるとおり、驚くほどJEFF BECKの演奏は年々
若々しくシャープで研ぎ澄まされていくようです。
タルのアルバムを聴かせてもらいましたが、(本人の意思で作られた
のかは定かではありませんが)70~80年代のエレクトリックジャズ
というかWEATHER REPORTのようなサウンドでした。
この年のベーシストでこのような音楽を目指すのなら余計に有望な
ミュージシャンだと思います。
People Get Ready!泣けましたよ!
4年前のPeople Get Readyは下手なボーカル付だったのですが
この度はJEFFのギターを堪能できました。

by 蟹道楽 (2009-02-23 20:01) 

蟹道楽

xml_xsl さん
ありがとうございます。
by 蟹道楽 (2009-02-23 20:03) 

蟹道楽

koto さん
さすがお目がたかい!
ええ体してまっせ!
僕も腹のぜい肉を何とかしなければ・・・
by 蟹道楽 (2009-02-23 20:04) 

蟹道楽

Qoo さん
素晴らしい演奏を堪能いたしました!
タルは鯉三さんのコメントでも書かせて頂きましたとおり、70~80年代
のエレクトリックジャズ(良い意味でのフュージョン)といったサウンドです。
ぜひともCDを買ってタルちゃんに貢献してください!
by 蟹道楽 (2009-02-23 20:07) 

蟹道楽

薔薇少女さん
ロックのライブ気分を味わって頂けた様で、書いてる僕も嬉しいです。
中年のロックファンおやじから絶大なる人気を得たタル!
コンサートでのしぐさがまた、キュートなんですよ!
ノリがまた可愛らしい!
おやじだけでなく、僕の前に座っていた女性(30位でした)も
「めっちゃかわいー」と絶賛してましたよ!
でも有名ミュージシャンの家系ではないと思います。
鈴木茂さんは残念でした。
最近、多くのあほな学生が大麻事件で逮捕されているので、「みせしめ」
的な逮捕だったのかもしれません。
以前は解りませんが(笑)大瀧さんは、まじめなお年寄り?になりつつ
あるのでは?

by 蟹道楽 (2009-02-23 20:18) 

蟹道楽

ベアトラックさん
僕も”彼女”にするなら、ジャコパスやジョン・ポール・ジョーンズや
マーカス・ミラーではなく、確実にタルちゃんを選びます(爆)
by 蟹道楽 (2009-02-23 20:20) 

nexus_6

このリズムセクションなら、ベックもゴキゲンでしょうね。
ジェフ・ベックといい昨年のキース・エマーソンといい、
60代でもばりばりにロックをやれるということを証明してくれます。
年齢を言い訳にしない生き方、カッコいいです。
by nexus_6 (2009-02-23 23:58) 

neko

コンサート満喫されたようでよかった、感動がひしひしと伝わってきました(^◇^)

by neko (2009-02-24 00:13) 

たいへー

坊さんは、綺麗なおねいさんが好き・・・
これで宜しいか?(笑
なんか、読んでるこっちもコンサート会場にいるようです。
by たいへー (2009-02-24 07:27) 

しゃおたお

「結局 若い女の子が好きなのね。」

さて、このコメントは蟹道楽さん宛でしょうか?
それとも「エロ坊主」さん宛でしょうか?(笑)

by しゃおたお (2009-02-25 12:55) 

蟹道楽

nexus_6 さん
やっぱり、ドラムの VINNIE COLAIUTA でしょうね。
今のJEFFに一番合ったドラムだと思います!

近所の64歳の方々を見れば『ほんとにJEFFは60代なのか?』と思ってしまいます。

by 蟹道楽 (2009-02-26 00:40) 

蟹道楽

イチロ さん
はじめまして!
ご訪問頂きましてありがとうございます。
by 蟹道楽 (2009-02-26 00:41) 

蟹道楽

nekoさん
あたたかいコメントをありがとうございます。
この1時間35分は本当に短かったです。
会社で仕事している(特にややこしい仕事の場合)は同じ1時間35分が
めっちゃ長く感じます。
by 蟹道楽 (2009-02-26 00:43) 

蟹道楽

たいへー さん
やはりエロ坊主ですので!!!
>>読んでるこっちもコンサート会場にいるようです
最大級のお褒めを頂きましてうれしいです!

by 蟹道楽 (2009-02-26 00:44) 

蟹道楽

なちゃ さん
ありがとうございます。
by 蟹道楽 (2009-02-26 00:45) 

蟹道楽

shin さん
ありがとうございます。
by 蟹道楽 (2009-02-26 00:46) 

蟹道楽

しゃおたお さん
しゃおたおさんファンの蟹道楽です!

>> 『若い女の子 = しゃおたお さん!』

すなわち僕のことでしょうかね!

by 蟹道楽 (2009-02-26 00:50) 

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