出会いと別れ [audio]
以前、フォノイコライザー(オーディオショー)の記事を書いた。
※(フォノイコライザー:レコードから針が読み取った電気を増幅するもの)
ハイエンドオーディオショーで聴いたフォノイコライザー『C-27』。
アナログ独特の暖かさを持ちながらも、まるでCDのようなシャープな音!
これまで自分のシステムは、アナログらしい『ぽっちゃりとした柔らかな音』
だと満足していた。
(音のイメージ①)
ところが、あのオーディオショーからは『ぽっちゃりとした柔らかな音』が
『ぜい肉が付いた締まりの無い音』の様に感じるようになってしまった。
(音のイメージ②)
僕のシステムとオーディオショーで聴いたシステムを同じ土俵での比較する
などおこがましいのは重々承知なのだ。
圧倒的な価格差があるし、ましてや相手はプロのセッティングである。
しかし、現在の僕のシステムの音の方向性は正しいのだろうか?
今までアナログの良さは『柔らかさ や 中域音の厚み』だと感じていた。
しかし、あのハイエンドオーディオショーで聴いた『シャープな音』が忘れられ
なくなったのである。
現在使っているオルトフォンのカートリッジには揺るぎない信頼を持っている。
すると『締まりの無い音』の原因は、やはりと言うかフォノイコライザーという
結論にしてしまったのだ。
現在のフォノイコライザーは某メーカーの真空管式のものである。
僕がフォノイコライザーを真空管式に決めた理由は、真空管特有の”柔らかさ”
や”中域音の厚み”でアナログらしさを際立たせるためだった。
しかし『この選択が間違っていたのでは?』と考えるようになったのである。
かといって、おいそれと『C-27』(¥525,000)を購入することなんて出来ない。
また、僕は簡単に今のパートナー(現在、使用の真空管フォノイコライザー)を
捨てる事が出来ないのである。(情の厚い男 蟹道楽!)
ズルズルと決定的な別れ話が出来ないまま、悶々と過ごした3ケ月。
ある日、オーディオ雑誌でCECのPH-53という機種に興味を持ってしまった。
CECは日本では数少ないオーディオ専門メーカー。
地味だが堅実なオーディオを発売しているので昔から気になっていたメーカー
なのだ。
この機種で特に引かれたのがバランス接続が出来るということ。
バランス接続用ケーブル(XLR端子)
一方、一般的なアンバランス接続用ピンケーブル(RCA端子)
オーディオマニアではバランス接続は余分に回路が増えてマイナス面が多いので
嫌う人も結構いる。
しかし、僕はバランス接続を信仰している。
『CD⇒プリアンプ⇒パワーアンプ』とバランス接続で統一しているのだ。
魅かれ始めて約三週間。
①CECの製品
②価格がリーズナブル
③そしてバランス接続が出来る!!!
この3点により僕の気持ちは決まったのである。
さよなら、真空管式フォノイコライザー。
君と過ごした日々は忘れない。
PH-53と仲良くなれなかったら戻ってくるから!(情の厚い男、蟹道楽!)
ということで、新しいパートナー(PH-53)を迎えたのだった。
早速、接続!
接続はアナログプレーヤーとフォノイコライザーがアンバランス(RCA)接続。
そしてフォノイコライザーとプリアンプがバランス(XLR)接続になった。
そして出てきた音は・・・・・
なんじゃ、これは!
(音のイメージ③)
これはひどい!
ガリガリの骨と皮だけで全く色香のない音!
しかし、新しいオーディオは設置した瞬間に100% の実力をだすとはいえない!
新車と同じように『ならし運転』が必要で、とりあえず一週間は様子見の期間と
なるのである。
彼女(PH-53)も見知らぬ地に来て緊張しているのだろう。
しかし、ここまで色気のない音が良い方向へ変化するのだろうか?
この新しいパートナーは僕の好みではないのではなかろうか・・・
と一抹の不安を感じたのだった。
一週間もすると『ならし』やセッティングの改善等の成果もあったのか、嫁に来た
PH-53の緊張が解けてきて、僕に近寄ってきたのである。
音にだんだん肉付が良くなってきたような気がしてきたのだ。
また、以前の真空管フォノイコライザーに比べて繊細な音がするのだ。
二週間目にはPH-53は確実に質の高い音に感じてきた。
(音のイメージ④)
かと言って”100%満足か!”というと世の中そうともいかない。
PH-53は以前の真空管に比べてバスドラムやベースのボリューム感が少ない様に
も感じるのである。
ある日、ネットで興味深い記事を見つけた。
PH-53はあくまでバランス接続を前提にしている。
特にレコードプレーヤーとPH-53の接続をバランスケーブルにすることで、全く
別の次元の音に変わる!というのだ。
今、僕のPH-53とプリアンプの接続はバランス接続だが、レコードプレーヤーと
PH-53の接続はピンケーブル(アンバランス)で接続している。
調べてみるとCECはPH-53用にレコードプレーヤーとのバランス接続用の特殊な
ケーブル(入力側がRCA端子で出力側がXLR端子)を販売しているのだ。
しかしこれが高価なのだ。(定価28,350円)
『別の次元の音に変わる』という事もネット上での記事である。
正直、マユツバな気がして100%信じるには至らない。
ただし『別の次元の音』というのは聞き捨てならない!
ぜひとも試してみる価値があるのだ!
しかし、RCA端子とXLR端子のケーブルなど普通に売ってはいない。
約3万円のCEC製の純正品を買うか、特注で作ってもらうしかないのだ。
しかし、自作なら日本橋のパーツ屋で三千円ほどで材料は揃うはず!
ということでケーブルを自分で製作したのだった。
そして、自作ケーブルで試聴!!!
・・・・・・・・・・・・
音が出ない・・・・・
フォノイコライザー本体にバランス接続の特別な設定があるのだろうか?
僕は大雑把な性格のため、説明書というのは全くと言っていいほど読まない。
今回は珍しく説明書を読むと、説明書にはケーブルの配線図面が丁寧に明記
されていた。
僕はアースも接続したが、配線図によるとRCA端子側にはアースは接続しては
いけないようだ。
ということで作り直し。
素人が作ったものでやり直しをした為、雑なハンダ処理になってしまった。
これがまた音質面でのマイナスになるのだが、とにかく音を出したい!
そして再度接続!
そして試聴!!!
やった~! 成功や! 音が出た!
と普通なら喜ぶのだろうが、そう感じる暇もなかったのだ。
なんじゃ、これは!!!
これ、レコードの音か!!!!!
今まで聴いていたレコードの音と全く感触の違う音だった。
暖かみは少ないが、シャープで肉付きのよい音が出てきたのである。
(音のイメージ⑤)
これはいい!
余分なゼイ肉は無く締まった音だが、メリハリのしっかりしたグラマラスな音!
しかも色気もある!
メーカー側がバランス接続を強く推奨しているのが納得できたのだ。
最近発売されたLPで松尾明のMelancholy Seranadeを聴いた。
A面2曲目イントロでのベースソロも以前に比べて、ズッシりと低い位置から
ガッツのある音に変わったのである。
Melancholy Seranade [12 inch Analog]
- アーティスト: 高橋康廣,松尾明,寺村容子,嶌田憲二
- 出版社/メーカー: ディウレコード
- 発売日: 2009/01/23
- メディア: CD
そうなると、以前の僕のシステムはどのような音だったかを検証してみたくなる。
僕は以前使っていた某真空管式フォノイコライザーに戻してみた。
結果は・・・・・
(音のイメージ⑥)
僕と真空管式フォノイコライザーとの関係は完全に終わってしまった。
十分に愛着があった真空管式フォノイコライザーだったのだが、価値観が変わる
と全く興味がなくなったのだ。
オーディオも恋も似たようなものである。
『アバタもエクボ』、まさしくその通りなのだ。
さめてみれば、『何故、あんなに熱中したのだろうか?』と自問自答してしまう。
実はこの度のPH-53も一過性の恋のようなものかもしれない。
しかし、僕にとって新たに進むべき方向性が見えてきたのだ。
アナログは努力をすればするほど応えてくれるシステムである。
時間をかけてセッティングから詰めていき、徐々に雑なつくりの自作ケーブルも
見直していくつもりだ。
今の音も、満足度は高いのだがあくまで通過点にすぎない。
もっと『グラマラスでありながら締まった筋肉質の音質』を目指すのである。
(目指す音のイメージ⑦)
追伸 : やはり同じCDとレコードを聴き比べたくなる。
しかし、昔のジャズのCDは何度もリマスタリングされているのでCDとLPの
音が別物になっていることが多い。
10年ほど前、同時に発売されたCDとレコードの比較をすることにした。
山下達郎 / COZY
(左にあるCDは発売当時、クリスマス限定ジャケットとして発売された
ジャケ違いのCOZY。今や結構レアアイテムかも?)
このイコライザーに換えて『CDに近い音』になったと思っていたが、やはり
レコードはCDとは全く別の音なのだ。
改めてレコードの魅力を感じたのだった。
優香→慶子→?人間ッ?→由美子→涼子⇔?よしみ?
→?ビーチバレーの人???
って、蟹道楽さんは、何処へいこうとしてるんですか?
贅沢過ぎです。
ようワカランケド♪は『よしみ』がいっちゃんイイのとちゃいますかぁ?♪♪♪
by 薔薇少女 (2009-03-02 07:43)
結局のところ、どんな女の子(機材)も
「あなた好みの女にしてね♪」というのが一番なのでしょうか?
いろいろと調教(×)調整して行ってくださいね(うふっ)
蟹道楽さんの女性嗜好がちょっとだけ分かったような分からないような。
by しゃおたお (2009-03-02 08:50)
オーディオのことはわからないですが
こういう例えをしてくれるとなんとかわかったような…?
しかし天童よしみ、いいじゃーん?
松坂慶子、ダメですか?(*≧m≦*)ププッ
by neko (2009-03-02 11:01)
わかるわかる。
特にアナログ関係は、そのままではダメですね。
カートリッジも、装着の仕方で音が変わるもんね。
またそーゆー「いじる作業」も楽しいモノです。
ここで、ちょっと質問。
私のアンプ、L-509uは一応フォノアンプ内蔵なんですが、
この手のアンプでも
昇圧トランスを使っている人もいると聞きます。
レコードをより良く聴くためには、必要でしょうか?
蟹さんのご意見を聞かせて下さい。
by たいへー (2009-03-02 17:31)
音じゃなくて・・・
グレース・ジョーンズより釈由美子の方が良い
言うまでもないよね
でも、今はダルちゃんに夢中です(^_^)b
by Qoo (2009-03-02 21:23)
先日はご訪問ありがとうございました!
③で笑っちゃいましたけど、それが④に変わるとは…恐るべし。
そして⑥も爆笑。しかもなぜかイラストだし(笑)
by ぶなねこ (2009-03-02 23:00)
僕は優香が。。。
表現力が素晴らしいですね。
的を得た説得力のあるお言葉。
オーディオは、ならす人の個性が出て来るから素敵だと思います。
by イチロ (2009-03-02 23:33)
笑わせて頂きました。
音にせよ視覚にせよ、印象というのは
時々刻々と変わっていきますねぇ...
by nexus_6 (2009-03-02 23:55)
アキュフェーズ290Vのフォノはちょっと優しい音になってガッカリしたものでした。現在は自作のと280Lのフォノを並用してます。本物のADサウンドは切れ込みが鋭く限りなくリアルな音ですよね・・・。
by ab-ovo (2009-03-03 17:38)
わかりやすい!
蟹道楽さんの脳みその構造が!
by koto (2009-03-03 18:11)
なんとも上手い喩えでウケました。
グレースジョーンズから釈由美子とは・・・
自分の好きな良い音への道は険しいのですね。
by なちゃ (2009-03-03 19:18)
薔薇少女 さん
あくまでも音のイメージを表現しました。
そうですか。
よしみ様がよろしいですか。
by 蟹道楽 (2009-03-03 20:20)
しゃおたお さん
さすが、麻さん!
>>いろいろと調教!とは!!!
”お・と・な”のご発言ですね~
あくまでも、音のイメージを表現していますので・・・
・・・でも由美子かなぁ・・・
by 蟹道楽 (2009-03-03 20:24)
xml_xslさん
ありがとうございました。
by 蟹道楽 (2009-03-03 20:25)
neko さん
その通りです!
たとえでして、音にイメージを表現しております。
慶子さまは最近、やたら貫禄がついたような・・・
by 蟹道楽 (2009-03-03 20:27)
たいへーさん
そうなんですよね。
アナログは”いじる楽しみ”が良いのですよね。
僕はプリメインに昇圧トランスを接続したことはありませんがL-509uのような高級アンプなら、やはり効果を感じられるのではないでしょうか?
でもL-509uほどの製品だとかなり高品質なフォノアンプが内蔵されているでしょうから、MC昇圧トランスもレベルの高いものでなければ?と思います。
あくまで僕の考えです・・・・・
by 蟹道楽 (2009-03-03 20:42)
ご意見、ありがとうございました。
もう少し、その辺を勉強した方が良いですね。
慌てず、ゆっくり考えていきます。
今日、行きつけのオーディオショップに行ったので、
店長にも聞いてみようかと思ったのですが、
「インターネットがつながらん!!」とトラブってたので、
聞けず終いでした・・・(汗
by たいへー (2009-03-03 23:36)
Qoo さん
1000人に聞いたら1000人ともグレース・ジョーンズより釈由美子の方が良いと答えるような気が・・・
僕はこの中では由美子がお気に入りです!
ダルちゃんのCDはお買い求めになりましたか?w
by 蟹道楽 (2009-03-04 00:04)
ぶなねこ さん
③から④に変わるのはオーバーでしたかも・・・
しかし『ならし』によってオーディオはびっくりするほど変わるのです。
イラストは・・・・・
波風をたてないほうが良いかと思って・・・
by 蟹道楽 (2009-03-04 00:07)
イチロ さん
もちろん僕も優香さんは大好きですよ!
僕はオーディオに関して青二才なのでまだまだ個性など言えたものではありません。
by 蟹道楽 (2009-03-04 00:09)
nexus_6 さん
あくまで、音のイメージを表現したつもりで・・・
確立したポリシーを持ってない僕はフラフラといろいろなものに魅かれてしまうのです。
by 蟹道楽 (2009-03-04 00:13)
ab-ovo さん
290Vといえば素晴らしい機種ですね!
オプションのフォノはお気に召さないのでしょうか?
僕なんかからすると憧れの機種ですが、さすがに耳の肥えたab-ovo さんからすると不満もあるのでしょうか?
自作のフォノイコライザーとは!
素晴らしい!
by 蟹道楽 (2009-03-04 00:17)
koto さん
やっぱり koto さんは違いが解る人!
蟹道楽の脳みその構造がいかに繊細でデリケートだ!ということが解ってもらえたみたいですね!
by 蟹道楽 (2009-03-04 00:20)
なちゃ さん
グレースジョーンズから釈由美子とは少々オーバーでしたか?
ただ、最初に聴いた音はグレースジョーンズのイメージでした。
オーディオは一生かけても答えが出ないほど奥の深いものだと思います。
by 蟹道楽 (2009-03-04 00:24)
たいへーさん
再度、コメントありがとうございます。
何も役に立たない意見で申し訳ございませんでした。
やっぱり行きつけのオーディオショップをお持ちのようですね。
僕は一番好きだったお店のオーディオ部門が業務縮小のために無くなってしまいました。(今でも社員の方とは交流がありますが)
昔は試聴室で色々実験をしておりましたが今はその楽しみがなくなりました。
ぜひとも行きつけおお店を大切にしてください。
by 蟹道楽 (2009-03-04 01:05)
そうか、蟹道楽さんの最終的な好みのタイプは浅尾美和さんなのですね・・・って、違うか。(^^;
今回の記事のために、あれこれ、画像を探して貼るのが、きっと楽しかっただろうなぁ・・・と想像しています。(笑)
by びっけ (2009-03-06 21:13)
訪問、遅くなってごめんなさーーーい!
一先ず、大笑いしてもいいかしら^^
機材ぜんぜんわかんないけど、すごく熟知してる感じがした。
・・・その上芸能人女性も?(→おい)
by kouan (2009-03-08 21:54)
びっけさん
いや~何度も言うようですが・・・
あくまで、音のイメージを表現したつもりで・・・浅尾美和さん、いいですね~
いえいえ、音のイメージで・・・
御察しの通り、どんなべっぴんさんでイメージするか!
楽しんだのかもしれません!
by 蟹道楽 (2009-03-12 00:52)
kouan さん
いえいえ、僕はオーディオに関してまだまだ青二才です。
詳しくなんかありません。
芸能人女性についても、これが限界です。
やはり年とともにアイドル歌手の顔がみんな一緒に見えてきました。
by 蟹道楽 (2009-03-12 00:54)
オーディオは無知なのですが、女子たちの雰囲気で想像が色々出来て、楽しゅうございました^^
よく画像探しましたねぇ・・
楽しかったんでしょ(笑)
by bluebird (2009-03-14 22:59)
bluebird さん
わけの解らない記事を読んで頂いて感謝しております。
しつこいですが、あくまで”あくまで、音のイメージを表現したつもりで・・・”
僕の女子の方々の好みでは・・・・・・
由美子さん、美和さん・・・
いや、いや、好みは少なからずとも・・・入ってますかね。
by 蟹道楽 (2009-03-20 00:18)
>、『何故、あんなに(君に)熱中したのだろうか?』
って、言われた側の女です(うぅぅ、泣)
バクストの愛のプレゼント劇場に、その辺の事を
投稿してます、お暇な折にご一読頂けたら、嬉しいです!
by 薔薇少女 (2009-03-20 15:15)
薔薇少女 さん
コメントが遅れて申し訳ございません。
薔薇少女 さんのようなべっぴんさんにそのようなことを言う輩がいるとは?
『バクストの愛のプレゼント劇場』を読みたいのですがどこにあるのでしょうか?
by 蟹道楽 (2009-03-29 12:11)
ダルちゃん
速攻買いましたよ(^_^)V
by Qoo (2009-03-30 20:04)
私もPH-53をバランス接続で使用しています。
ほんと、アンバラ接続とは大違いなんですよね、
CECはこのフォノイコとバランス接続フォノコードを
セットで販売すべきですね、
by Tt-1000 (2009-05-05 20:51)
Tt-1000 さん
コメントありがとうございます。
返事が遅れて眞に申し訳ございませんでした。
(コメントを頂いた事を見逃しておりました)
やはりそうですか!
バランス接続とアンバラではレベルが違うと感じております。
バランス接続フォノコードとのセット販売は素晴らしいアイディアだと思います。
by 蟹道楽 (2009-06-16 00:28)