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イーノは”いいのぉ~” [ROCK]

U2のニューアルバム

No Line on the Horizon

No Line on the Horizon

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Vertigo
  • 発売日: 2009/03/03
  • メディア: CD

 

 

僕は最近、このアルバムをよく聴いている。

僕が高校生の時、U2はデビューした。
デビュー当時、僕のU2のイメージは『パンク系の兄ちゃん達』だった。

当時、僕はエッジのギターの音が魅力的でU2を聴いていたが、特別に思い入
れのあるバンドではなかった。

僕がU2にハマったきっかけはブライアンイーノのプロデュースした4枚目の
アルバム『The Unforgettable Fire』。

Unforgettable Fire

Unforgettable Fire

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Island
  • メディア: CD

この『The Unforgettable Fire』の発売前、アルバムのプロデューサーが
ブライアンイーノという記事を見て我が目を疑った。

ブライアンイーノは初期のROXY MUSICの立役者。
ROXY MUSICを脱退してからは主にアンビエントミュージック(環境音楽)界
に進み、今では重要なミュージシャンとなっている。

昔、ブライアンイーノのインタビューで印象的な記事を読んだ事がある。


記 者 : イーノさんはROCK系の音楽とは遠ざかっていますが?

イーノ : 現在のROCKとは・・・
      (イーノは手で机を『バン!バン!バン!』と3、4回叩いて・・・)
      このような音楽である。
      私はこのような単調な音楽には興味が全くない!

そういう内容のインタビューだったと記憶している。

そのイーノがU2という、パンクまがいのバンドのプロデュースをする事の
イメージが全く出来なかったのだ。

しかし、結果として『The Unforgettable Fire』でイーノはU2の持ち味を
最大限に生かしたスケールの大きな音の空間を作ったのである。

イーノのプロデュースにより、この頃からU2のサウンドは緻密な音になり
飛躍的にスケールが大きくなったように感じたのである。



U2 - The Unforgettable Fire
イーノはやっぱり凄い!と感じたこの曲。
僕はU2の中ではこの曲が一番好きだ!
※(ちなみにエッジがイチローに見えてしまうのは僕だけか・・・)

続いて5枚目のアルバム『The Joshua Tree』は『With Or Without You』
のヒットもあって世界中で大ベストセラーになった。

このアルバムもイーノのプロデュースらしく音の空間を最大限に生かした実に
美しいアルバムだった。

僕にとってU2の魅力は”心地よさ”なのだ。

U2のサウンドはハードだが、僕にとっては”α波が出る心地よいサウンド”に
感じるのである。
これはやはりアンビエントミュージックを知り尽くしているイーノならではの
技ではなかろうか。

4年ほど前にリリースした『How to Dismantle an Atomic Bomb』
はデビュー以来のプロデューサーであるスティーヴ・リリーホワイトによる
ストレートなロックアルバムだった。

How to Dismantle an Atomic Bomb

How to Dismantle an Atomic Bomb

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Interscope
  • 発売日: 2004/11/23
  • メディア: CD

特に1曲目の”Vertigo ”はデビュー当時のU2を彷彿させるハードな演奏で
パンクロックの様である。


U2 - Vertigo
やはりパンクのDNAが息づいていたと感じた曲

この『Vertigo』を聴いた瞬間は『おおぉぉぉ~!』これは凄い!と感じたのだが、
アルバム全体としては何だか物足りなさを感じてしまった。

この度のニューアルバム『No Line on the Horizon 』は久しぶりにイーノが
参加している。

この間も『Achtung Baby』や『All That You Can't Leave Behind』といった
アルバムでもイーノがプロデュースに参加しているのだが、今回のアルバム
のほうが『The Unforgettable Fire』や『The Joshua Tree』の頃のU2の
サウンドに近いような気がする。

このニューアルバムには”α波が出るような心地よさ”があるのだ。

特にイーノのプロデュースによってエッジのギターが一段と美しく感じるの
である。


僕の中ではデビュー当時のU2は『怒れる兄ちゃん達のパンク系バンド』の
イメージだった。
しかし、いまや世界に名だたるスーパーバンドであり、またインテリバンド
になったのである。

この転換期になったのが、4枚目のアルバム『The Unforgettable Fire』で
あり、このアルバムのプロデューサーであるブライアンイーノの存在だった
ように感じるのである。

 


U2 - Magnificent (Live - Night 2 - Letterman)
今回のアルバムで最もイーノのプロデュースを感じた曲

 

 

ちなみにブライアンイーノの作品。
僕は昔から凹んだ時やストレスの溜まった時、就寝前のこの曲を聴くと
気分が落ち着いて眠れるのである。

The Plateaux of Mirror /Harold Budd & Brian Eno

ザ・プラトウ・オブ・ミラー(紙ジャケット仕様)

ザ・プラトウ・オブ・ミラー(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト: ブライアン・イーノ,ハロルド・バッド
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2004/12/22
  • メディア: CD


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コメント 22

たいへー

そのグループが本来持っている「良さ」を生かして、
さらに良くなる様に導いてゆく・・・
それがプロデューサーの仕事なんだろうなぁ。
いくら名プロデューサーでも、グループと合わなかったら
全くダメだものね。
U2は、きっと運が良かったんだね。


by たいへー (2009-03-29 15:55) 

ベアトラック

ごく個人的には、どちらかといえば、前作の「How To・・・」の方が
好きですかねぇ。大好きなBIG COUNTRYの初期アルバムをプロデュースしたのも、すティーウ・リリーホワイトだし・・・
それにしても、紆余曲折はありましたが、息の長いバンドのひとつになりましたね。ますます頑張って欲しいところです。
by ベアトラック (2009-03-29 21:13) 

鯉三

イーノの音楽について書かれた本を読んだことがあります。元々まったく音楽的素養がなかった人で、むしろ画家のように絵の具の代わりに音を使って絵を描いているようなイメージを受けました。デビュー当初のロキシーの前衛性はイーノの作り出す音世界にあったのだと思います。

U2の聴き方、好きな曲は、ほぼ蟹道楽さんと同じではないかと思っています。彼らのライブ・パフォーマンスはとても素晴らしい(特にエッジのギターの音色が!)のですが、ボーノがステージ上で聴衆に話し始めると白けてしまうので、きっとファンではないのでしょうね(笑)。新しいアルバム、早速聴いてみます。
by 鯉三 (2009-03-29 21:58) 

蟹道楽

xml_xslさん
ありがとうございます。
by 蟹道楽 (2009-03-30 00:40) 

蟹道楽

たいへーさん
おっしゃるとおりプロデューサーとミュージシャンの相性はあるでしょうね。
またミュージシャンだけではなく、聴く側も好き嫌いがはっきり分かれますね。
このへんの事も聴く側の楽しみの一つでしょう。
by 蟹道楽 (2009-03-30 00:50) 

蟹道楽

ab-ovoさん
ありがとうございます。
by 蟹道楽 (2009-03-30 00:51) 

蟹道楽

ベアトラックさん
U2ファンにアンケートを取ったとします。
スティーヴ・リリーホワイトとブライアン・イーノ!
プロデューサーとしたらどちらが好きですか?
多分、スティーヴ・リリーホワイトが良いというファンの方がかなり多いのではないでしょうか。
やはりストレートなロックのU2を望んでいるファンがたくさんいるような気がします。
by 蟹道楽 (2009-03-30 00:56) 

蟹道楽

鯉三 さん
イーノは画家のように絵の具の代わりに音を使って絵を描いている・・・
すごく解ります。
確かに初期のロキシーの音の使い方はまさしくそんな感じですね。
また、なるほどイーノがアンビエントミュージックに進んでいったのも解るような気がします。
僕はそれほど抵抗はありませんが、ボノの思想的なポーズが苦手だという人はたくさんいますね。
U2に関してはすべてのアルバムを持っております。
しかしよく聴くアルバムと全く聴いていないアルバムとが見事に分かれています。
『U2なら何でもOK!』という熱狂的なファンとは違って、僕も熱心なファンとは言えないかもしれません。
by 蟹道楽 (2009-03-30 01:28) 

Qoo

U2大好きです
でも、最初は食指が動かなかったんですよね~
BESTを聞いてからU2にはまったんだ
こんなに格好良かったんか! って
How to Dismantle も僕は好きですね
1曲目はもう大好物(^^)
by Qoo (2009-03-30 20:02) 

nexus_6

U2は高校の頃に随分流行っていましたが、何故か聴く機会がありませんでした。それから20数年を経たとある機会に "Sunday Bloody Sunday"を聴き、衝撃を受けました。すぐに「War」を買ったのは言うまでもありません。
by nexus_6 (2009-04-02 23:20) 

bluebird

U2、中でもエッジが大好きです!
ルックス、ギターを弾く佇まい(コレが重要)ギターの音質、
あの、カッティング!

「How to Dismantle ・・・」も随分ヘヴィローテーションでした。
新譜、DVD付きにしたのと、オットが注文していたつもりで、忘れていたのとで、まだ聴けていません。
待ち遠しいです!
by bluebird (2009-04-15 10:51) 

ぐれなでぃん

U2を知った時はすでにスーパースターでインテリでしたが・・・!
アイルランド出身なんですよね~!
アイルランドに思いいれ強かったりするんです私。。
新年度でまたまた大変かと思いますがストレス溜めないで下さいね^^!
by ぐれなでぃん (2009-04-16 14:45) 

kouan

U2はVertigoだけとってもはまって聴いてました。
でも・・・Magnificent、これいい!
首を振ってのってしまった♪
by kouan (2009-04-21 21:01) 

薔薇少女

久し振りに遊びにきました!お元気そうですね!
>The Plateaux of Mirror /Harold Budd & Brian Eno
ものすごく癒されますね。
曲というよりまるで水琴窟から聞こえてくるようです♪



by 薔薇少女 (2009-04-22 16:09) 

蟹道楽

皆様コメントありがとうございました。
お返事が大変に遅れて申し訳ございませんでした。
by 蟹道楽 (2009-05-04 02:27) 

蟹道楽

Qoo さん
僕も最初はU2はピンとこなかったのです。
やはりハードなU2のロックンロールはかっこいいです。
by 蟹道楽 (2009-05-04 02:31) 

蟹道楽

bluebird さん
前々から意見が合いますよね~
やっぱエッジですよU2は!
How to Dismantle an Atomic BombはDVD付にしましたが、ほとんど観ることがなかったので今回は安い輸入盤を買ってしまいました。
by 蟹道楽 (2009-05-04 02:34) 

蟹道楽

nexus_6 さん
「War」発売の頃は正直僕はあまりU2を聴いていませんでした。
しかし後になってこのアルバムを聴くとやはり素晴らしいアルバムです。
特にエッジのギターは澄みきっています!
by 蟹道楽 (2009-05-04 02:37) 

蟹道楽

ぐれなでぃん さん
アイルランドに思いいれが強いとは!
U2は特にアイルランドを意識したバンドですね。
おかげさまで忙しさも落ち着いてきましたよ!
by 蟹道楽 (2009-05-04 02:39) 

蟹道楽

kouan さん
たしかにVertigoは理由無くかっこいい曲です。
これこそROCKって感じの曲です。
機会があればこのたびのニューアルバムも聴いてみてください。
by 蟹道楽 (2009-05-04 02:42) 

蟹道楽

薔薇少女 さん
The Plateaux of Mirrorの当時日本語で鏡面界というタイトルでした。
タイトルどおり別世界に連れて行ってくれるような幻想的なアルバムです。
機会があったらアルバムを聴いてみてください。
本当にリラックスした時間が過ごせます。
by 蟹道楽 (2009-05-04 02:46) 

蟹道楽

shinさん
ありがとうございます。
by 蟹道楽 (2009-05-04 02:47) 

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