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It's time for Tina [JAZZ]

中古レコード屋でLP、CDを漁る時、特に廃盤については” これだ! ” と感じたものは、
予算の許す限り購入するようになってしまった。
 
中古レコード屋で廃盤との出会いは一瞬のタイミング!
もう二度と出会えないかもしれないと思うようになったからだ。
 
  
 
   It's time for Tina / Tina Louise 
 
何と魅力的なジャケットなんだろう!
しかし、これがオリジナル盤のLPジャケットだったら・・・・・
CDのジャケットを見るたびに思ってしまう。
 
僕はこのレアなアルバムを知ったきっかけをよく憶えていないのだが、このLPの中古盤が
マニア間では数万円で売買される記事が印象に残ってる。
 
この「It's time for Tina」のバックはコールマンホーキンス等の大物ジャズミュージシャン
によって演奏されている。
それも手伝い、コアなJAZZファンはこのアルバムを探していたようだ。
 
数万円のLP・・・
この金額を聞いただけでこのアルバムへの希少価値や評価が判断できる。
 

石原裕次郎は、このティナルイスのファンだったらしい。
アルバムの解説ではティナルイスは友人がオーディションを受ける際、一緒について行った。
友人は緊張して歌えなく、代わりに歌ったティナルイスがオーディションに合格したらしい。
 
このアルバムをレコーディングした時、ティナルイスは弱冠19歳。
 
このジャケット、10代ですよ!
 
今の日本の10代(特に高校生)はコンビニの地面に座ってカップ麺をすすっている。
 
えらい違いである・・・・・
 
ティナルイスが残したアルバムはこの一枚のみ。
 
 
その後、女優として活躍し結局、アメリカ南部の大富豪にさらわれてしまったらしい。

 
20年くらい前、この「It's time for Tina」はCDで再発された。
この頃、僕は東京に住んでいて六本木WAVEでこのCDを購入したのを憶えている。
 
幻のアルバムを聴ける喜びとは反面、「ジャケットが小さい、LPで鑑賞したい!」と感じた。
 
アルバムはまさしくジャケットのイメージ通りの音がした。
ゆったりとした、JAZZバンドをバックにしっとり歌うティナルイス。
 
耳元で囁くようなボーカルを聴いていると”とろけそう”になってくる。
また、コールマンホーキンスのやわらかなホーンが心地よい。
このアルバムには刺激的な音は一切入っていない。
 
僕は疲れを感じた時、就寝前にゆったりと聴くアルバムである。
 

10年ほど前の事。
よく行く中古レコード屋の壁に「It's time for Tina」のオリジナルLPがディスプレイされていた。
 
初めてみたLPオリジナル盤の「It's time for Tina」
そのジャケットの魅力は普段CDでみるジャケットとは別世界のものだった。
LPのジャケットはティナルイスの細かい表情まで感じ取れ、CDでは平面的だった体のライン
が浮き出て立体的に感じられた。
 
LPの下に貼ってあったプライスカードには”ASK"と書かれていた。
 
昔から数万円で取引されていたこのLP、いくらだろうか?
”ASK”が重くのしかかって結局値段も聞かず店を出た。
 

その夜、僕は「It's time for Tina」のLPジャケットを手にしてレコードを聴く夢をみた。
 

朝起きて、居ても、たってもいられなくなった。
 
いくらか解らない。しかしあのLPを手にとってみたい!
数万円で売買された頃と違って、CDでも発売されている。
また、DIWから復刻盤のLPも限定で発売された。

オリジナル盤といっても以前より安くなっているのではないだろうか?
 
考えを変えれば「絵画を買ったと思えば安いものである。」
また何といっても、オリジナル盤(MONO)のレコードでティナルイスを聴けるのだ!
 
「とりあえず、いくらなのか値段を聞いてみよう!」
僕の気持ちは完全に購入の方向へ傾いていた。
 
その日、仕事を終えると中古レコード屋に直行した。
 
しかし前日まで「It's time for Tina」があった場所には違うLPが飾られていた。
 
 
ティナルイスはどこかの大富豪にさらわれてしまっていた。
 
 
 
 
 
    
 
 
 
 
 
 
 
  
    
                        

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コメント 24

ab-ovo

タイミングを逃すと一生巡り逢う事無くなるって事多数ですからね~。自身の感性でこっれは!っと感じたモノは私も即購入してしまいます。
by ab-ovo (2007-03-10 05:43) 

のらりくらり

実物もレコードも大富豪にさらわれてしまったんですね。
それにしても10代のお姿とは思えませんね。
昔の音楽は、スローテンポで好きです。
英語の一言一言まで伝わってくるような
本当にとろけるような気がしますね。
by のらりくらり (2007-03-10 06:33) 

たいへー

ああ、あの時勇気を出していれば・・・そんな思いが私にもある。
5年ほど前、中古レコード展で出会った
ビッグ ブラザー & ホールディング カンパニーの
「チープ スリル」のオリジナル盤。
あの時、持ち合わせがあったなら・・・後悔先に立たず、ですね。
by たいへー (2007-03-10 08:21) 

かおり

けっきょくキレイなお姉ちゃんが好きなんですね?

私は”一期一会”という言葉を肝に銘じています^^
by かおり (2007-03-10 10:46) 

2ndLT

欲しいと思ったときに決断しなきゃだめなんですねぇ。
衝動買いもLPに関しては特別にしなきゃってとこですね。
僕はこのアルバムもミュージシャンも知りません。
かに道楽さんは本当によく知っていらっしゃいます。
by 2ndLT (2007-03-10 14:50) 

蟹道楽

ab-ovo さん
ありがとうございます。
ab-ovo さんのおっしゃる通りなんですよ。
この一件以来、”これは!”と感じるものは無理してでも頑張って入手しております。
ab-ovo さんも”このタイプの方”というのがブログから解ります!
by 蟹道楽 (2007-03-11 01:20) 

蟹道楽

のらりくらり さん
多くの場合、大富豪にとられてしまうのが世の常です・・・
これを機会に貧乏人の僕も大富豪に負けず頑張っていますが、何分先立つものが無くて・・・・・
この頃のボーカルものは非常に良い作品が多いのです!
by 蟹道楽 (2007-03-11 01:25) 

蟹道楽

たいへー さん
レコードで発売されていた時代の物はレコードで聴くに限りますね!
「チープスリル」のオリジナル盤とは!
あのイラストのジャケットは魅力的ですよね!
ジャニスジョプリンもレコードの時代のミュージシャンです。
CDよりレコードで聴きたいですよね!
by 蟹道楽 (2007-03-11 01:29) 

蟹道楽

青い花さん
僕の熱い気持ちを一言で片付けてしまいましたね・・・・・

キレイなお姉ちゃんが嫌いな男はいませんよ!
このアルバムはジャケットは置いといて、音楽として魅力的なんですよ。

”一期一会”って”市毛良枝”に似てませんか?
by 蟹道楽 (2007-03-11 01:36) 

蟹道楽

2ndLTさん
廃盤やブートレックは一般のレコードやCDとは違ったスタンスにあります。
二度と見つけられないことが多いのです。
僕が探しているLPやCDのうち2割程度は購入するチャンスを逸した物だと思います。
「こんなものにお金と時間と労力をかけてアホ違うか?」と思われますが、趣味だからしょうがないですね。

ちなみにこのアルバムですが、知ってる人にとっては凄いものですが、一般的に考えるとかなりマニアックなアルバムでしょうね。
by 蟹道楽 (2007-03-11 01:51) 

かおり

ごめんなさ~い!^^
冗談ですから♪ 
蟹道楽さんは”音楽を”熱く語ってくださってるんですよね~!!

でも、市毛良枝って・・・・・・・・・・・・。
by かおり (2007-03-11 10:04) 

ベアトラック

市毛良枝・・・いや、一期一会ですよね(笑
確かに、これは!と思ったモノは、即買っておいた方が良かったりしますね。僕の人生でも、そういったことは何度かありましたね。
それにしても、このジャケット、いい雰囲気ですねぇ。
by ベアトラック (2007-03-11 11:39) 

koto

あるある~!逃がした魚は大きいのよね。
好きなものに大金をかけるのは理解できるよ。
好きでもないのに高い絵画を買う人は理解できない。
下のTINAはキュートだ!
市毛・・・がはは!
by koto (2007-03-11 13:38) 

蟹道楽

ベアトラックさん
さすが!このジャケットにピンとくるとはお目が高い。
こういうのが”色気”というものではないでしょうか。
以前オークションで見つけたのですが、7万でした。・・・
by 蟹道楽 (2007-03-12 00:36) 

蟹道楽

kotoさん
最近、投資目的で美術品を買いあさる人が多くなりました。
おかげで、本当に欲しい人の手に渡らない。
これは作品にとっても不幸なことです。
僕の親父は無類の骨董品好きでした。
親父の口癖は「作品は結局、一番欲しがっている人の所に収まるものだ」
しかし、最近は”儲け”が先走ってしまってますね。
残念なことです。
by 蟹道楽 (2007-03-12 00:43) 

鯉三

ティナ・ルイスは知りませんでした。とてもセクシーなアルバム・ジャケットですね。「大富豪にさらわれた」!彼女の歌をもっと聴きたかったファンにとってはまさにそうだったのでしょうね。LPを手に入れ損ねた蟹道楽さんの思いもそれと同じだったのでしょうか。
by 鯉三 (2007-03-12 02:15) 

蟹道楽

鯉三 さん
今はCDで聴けるようになりましたが、20年ほど前は幻のアルバムでした。
ただし、最近はまた廃盤になったようです。
まあ、あまり売れるアルバムではないでしょうから・・・

たぶん、僕のイメージの鯉三 さんは好みの音楽のような気がします・・・
by 蟹道楽 (2007-03-13 00:43) 

蟹道楽兄さん、ただいま戻りました!!
いや~、いつ来ても内容が濃い記事ですww

このアーティストの名前は初めてです。
ティナルイス・・・。
股1つ、勉強になりますよ!

さっそく、ググってみる自分がいますww

これからも兄さん、宜しくです☆☆☆
by (2007-03-13 01:49) 

ぐれなでぃん

ASKって時価?なーんて 笑)
CDのジャケットは味気ないと感じます。LPしかも輸入版・・・よかったなぁ。
しかし驚きですね。この女性、10代でこのお色気(゜□゜)!! 
CDジャケットを拡大コピーするしかないですか?!惜しかったですね(T_T)
by ぐれなでぃん (2007-03-13 10:07) 

(。・_・。)2k

大富豪になって綺麗な女性をさらいたい(^^;
by (。・_・。)2k (2007-03-13 21:19) 

蟹道楽

湘南134 さん
”会いたかった。。”
お帰りなさい!
「どうしたんだろうか?」と思っていましたが・・・
最近は「大丈夫なのだろうか?」と心配しておりました。
お仕事がたいへんそうですね。
これからも楽しいブログをきたいしておりますよ!
よろしくです!
by 蟹道楽 (2007-03-14 00:51) 

蟹道楽

ぐれなでぃん さん
たまにあるんですよ!
ASKとモッタイつけているレコードがねえ。
こればっかりは築地の寿司屋と同じようにいくらか全くわからない恐怖の世界なのです。
やっぱり、LPのジャケットは最高です。
by 蟹道楽 (2007-03-14 00:53) 

蟹道楽

jin-yumaさん

まいど、おおきに!です。
by 蟹道楽 (2007-03-14 00:54) 

蟹道楽

2kさん
何だか2Kさんは大富豪のように感じるのですが・・・
by 蟹道楽 (2007-03-14 00:55) 

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