帰っておいで：楽しくなければ人生じゃない！：SSブログ

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帰っておいで　[JAZZ] [編集]

”パリを魅了した江戸の華”

浮世絵の展覧会のタイトルなのだが、なかなか洒落たタイトルだ。

この展覧会はフランス国立ギメ東洋美術館の浮世絵コレクションの中から、北斎、写楽、歌麿、
広重などの名品約190点を展示している。
これらの有名な浮世絵師の作品を一箇所で観ることができる。

また、浮世絵の名作の多くが海外に渡っているのでこの度の展覧会はめったに観ることの
できない作品を実際に見ることが出来る絶好の機会である。

開催は大阪市立美術館。
大阪市立美術館は天王寺にある。

天王寺は大阪の南に位置し古い街である。
大阪独特の下町風情が残っていて庶民的な街なのだが・・・かなりアクが強い！
天王寺～新世界、そして大阪の暗部である飛田新地～釜ヶ崎
特に、釜ヶ崎（あいりん地区）が近くにある為、ホームレスの数は半端ではない。

以前から何故、大阪市立美術館が天王寺にあるのだろうか？と感じていた。
天王寺周辺は何とも、美術館とは縁遠いイメージ・・・・・
それも、なぜ天王寺公園の中？？？に・・・・・

最近は天王寺公園は浮浪者を追い出してキレイになっているようだが、昔の天王寺公園は
なかなか凄いもので特に夜なんか気持ち悪くて歩こうと思わなかった。

その昔、天王寺公園内で浮浪者が野菜を植えているのを見たこともある。

いまだに僕の中での天王寺公園は浮浪者の溜まり場という印象しかない。

天王寺公園が改装後、初めて天王寺公園に入った。
昔よりかなりきれいになっていた。

良い事か悪い事か？大阪市は天王寺公園の改装の際、浮浪者を追い出した。
現在は公園の外周を浮浪者が入って来れないようにフェンスを張り巡らせている。

美術館までの道のりもゆったりと散歩が楽しめる。

　　　大阪市立美術館

はじめて実物を観た浮世絵。
何とも艶やかな色彩である。
観れば観るほど、多くの作品が海外に渡ったことが悔やまれる。

浮世絵といえばやはり美人画！
歌麿の作品を見た瞬間！足が止まってしまった。

凄い！としか言いようが無い！
この、耳が透けてみえる髪の毛の描写。
まるで、髪の毛を付けているのではないか？と思えるほど立体的なのである。
当たり前の事だが、浮世絵は版画である。
筆で描いたとしてもこのように立体的に画く事が出来るだろうか？

歌麿の作品は他の作品より圧倒的な”精度”（と言ってよいのか？）の高さを感じた。

この度の展覧会でもう一つの目的！

世界初公開！北斎の「龍虎」100年ぶりに出会う　！

　　　　葛飾北斎の「虎図」と「龍図」

「虎図」は太田記念美術館所蔵で「龍図」はフランスのギメ東洋美術館所蔵。
表装が同じだったので調べてみたところ、この２つの作品は対として描かれた葛飾北斎
の作であると判明したらしい。
気づかなかったは「九十老人」という落款が理由らしい。
何と葛飾北斎の９０歳の頃の作品！

特にこの龍図の凄みのある迫力には圧倒されてしまった。
この龍の眼はぞっとするほどの不気味さを感じる威圧感があった。

僕は「虎図」と「龍図」を前に”対”で観ることは二度と無いのだろう！と感慨にふけていた。

その時、後ろから「んん～ん・・・」という唸り声が聞こえた。

振り向くと50半のおっさんが腕組みして「虎図」と「龍図」を眺めている。

おっさんは一言いった。

「ネコみたいなトラやな～！」

感慨にふけていた僕は一気にさめてしまった・・・・・

そして、ここが天王寺であることを思い出した。

やはり、天王寺には美術館は似合わない・・・・・

Keith Jarrett Trio

Standards,Vol. 1　Standards, Vol. 2　

Keith Jarrett Trio　が誕生した記念すべきアルバム。
このVOL1とVOL2は少々地味なスタンダードナンバー集で”対”をなすアルバム。
スタンダードナンバーを驚くほど美しく料理したこの２枚は発売以来の愛聴盤です。

追伸
この記事を書いた時、探し物をしていた。
以前、浮世絵の版木を我が家で見た記憶があったからだ。
骨董好きの父が確かに持っていたはず・・・・・
昨日、やっと探し出したので紹介致します。
作者など詳細は全く解りませんが江戸時代のかなり古いものだと思います。
写真では解り難いですが・・・

浮世絵をきれいに刷る回数は限られていたそうです。
限界枚数を刷った版木はそれ以上に刷られないように作者は版木を割ったそうです。
真ん中の割れ目はその割ったあとのようです。　　　　　　　　　

2007-04-21 01:43 nice!(11) コメント(28) トラックバック(0)
共通テーマ：音楽

nice! 11

蟹道楽さんの心の感動が、このおっさんの一言で
跡形も無く崩れ去った様が見て取れるようです。(笑
音楽で気分転換を、どうぞ！！
by たいへー (2007-04-21 08:14)

広重は見てみたいですね
江戸の下町を結構残しているので
身近に感じてます（＾＾）
by (。・_・。)２ｋ (2007-04-21 10:26)

天王寺に美術館♪
息子の学校に２度ほど行ったことがありますが
（あの辺にある料理とお菓子の学校）
イメージじゃありませんね＾＾
新世界の方も「ひとりで歩くな」と注意されましたし（笑）
環境はどうでも、この展覧会行ってみたいですね・・・
おじさん、正直者なのでしょう～♪

Keith Jarrett、蟹道楽さんのURLですものね☆
by かおり (2007-04-21 14:35)

なんや～、もう行ってきたの？
私もそれ、行きたいと思ってたのよ。
天王寺公園はきれいになったでしょ？
やかましい路上カラオケもなくなったし。
by koto (2007-04-21 19:39)

天王寺は昔勤めていた会社があったところでもあるので、特別に思い入れがあります。ジャンジャン横丁でよくホルモンを食べながら泡盛を飲みました。公園で昼日中から行われる「青空カラオケ」が懐かしいです。コアなところでしたが大好きでした。

浮世絵は面白いですね。昔アルバイトしていた古書店には、浮世絵や春画の原画があって、こっそり見せてもらった時は世界観が変わりそうになるくらいショックを受けました。北斎の長寿とそのエネルギーの大きさはピカソを彷彿とさせますね。
by 鯉三 (2007-04-22 00:10)

たいへーさん
正直、入場料を払ってくれ！
と言いたくなりました。
この言葉を聞いてから、この虎図に「ねこ」の陰が見えてしまいます。
by 蟹道楽 (2007-04-22 00:56)

2Ｋさん
広重の絵は江戸時代の大森や新橋の風景があり非常に興味深く鑑賞できました。
新橋は都会でしたが、大森は葦が生えたただの荒地でした（笑）
by 蟹道楽 (2007-04-22 00:59)

青い花さん
へー！そうなんですか！
ご子息様は”あべの○調理専門学校”に通われたのですか？
○調理専門学校は僕の友人が勤めております。（多分今でも・・）
最近の新世界はそんなに危険ではありませんが・・・
この、おっさんには参りました・・・
by 蟹道楽 (2007-04-22 01:03)

kotoさん
お先に行ってまいりました。
かなりの作品数でしたので、正直疲れました。
kotoさんも近々に行かれるのでしょうが、参考までに
「ネコみたいなトラやな～！」と思ってはいけませんよ！
「ネコみたいなトラやな～！」と考えてはいけません！
「ネコみたいなトラやな～！」とこの記事の事を思い出してはいけませんよ！

「ネコみたいなトラやな～！」　　　もうエエちゅうねん！
by 蟹道楽 (2007-04-22 01:07)

鯉三さん
天王寺でお勤めをされていたとは！
僕は以前、藤井寺に住んだことがありますので、阿倍野が乗り換え駅で天王寺はよく歩いた記憶があります。
但し、じゃんじゃん横丁ではメシを食ったことはありません（笑）
古書店に、浮世絵や春画の原画があったとは！驚きですね～！
大阪ですか？神保町や御茶ノ水の古書店なら解るような気がしますが！
by 蟹道楽 (2007-04-22 01:13)

来ますね・・・キース
うらやましい限りです。
速報をお願いしますよ・・・・
by 2ndLT (2007-04-22 17:36)

この記事を拝見する前に行った本屋さんの目立つ位置に浮世絵の本がずらりと並べられていたので偶然にびっくり！今、浮世絵ブームなのでしょうか？私、版画とは知りませんでした（恥）お勉強になったよ～(^_^;)
確かに龍の凄みに比べたら虎は可愛いかも！？ですね・・・
美術館、若い頃は結構行ったのですが印象派と呼ばれる方達の絵画が好きです。久しぶりに行ってみたくなりました。（昔は東京にいましたので・・）
ところで、音楽の事なら蟹道楽さん♪最近、THE JAZZ MASUTERS という名前のアーティストのアルバムを思い出し聴いていたりするんですが、知ってますか～？検索しても出てこないので売れなかったのかも。。
by ぐれなでぃん (2007-04-22 17:37)

こんばんは、妻のほうです。
10年前に、新婚旅行で行ったサンタフェの、とあるギャラリーのオーナーが
浮世絵のコレクターでした。
何点か見せていただいて、感激すると共にちょっと複雑でした。
なんで国外に有るのか、考えるとね・・・
私が他の物を見ている隙に、旦那にだけ、すんごいエッチな春画を見せたらしいですよ！
なんか、若く見えたらしくてワタクシ（いひひひ）
でも・・・見たかった！！

関西方面のことはほとんど知らないので、いま頭の中で天王寺のこと色々想像中です。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｂｙ　　ベア妻
by ベアトラック (2007-04-22 21:57)

こんばんわ、夫の方です。
今日から、半年振りに大阪入りしました。
明日から3日間、淡路町の貸スペースで合同展示会です。先程、作戦会議と称する飲み会から帰ってきました。新世界のお好み焼き屋さんでたっぷり食べて飲んで・・・社会勉強を兼ねて（笑）、地元の人のガイドで飛田地区を初めて夜間ウォーキングしてきました。色々な意味で、ビックリしましたよ。
ディープな大阪、奥が深過ぎますよ！
↑妻の話は本当です。どうやら、戦後のドサクサにGHQがらみで、戦犯逃れに放出・流失した名作の一部だったようですね。
by ベアトラック (2007-04-23 22:53)

2ndLTさん
ええ、もうすぐです！
今から、気持ちを高揚させる（というか、既に高ぶっています）為、毎日キースのアルバムばかり聴いております。
by 蟹道楽 (2007-04-23 23:31)

ぐれなでぃんさん
浮世絵ブーム？
そうなんですかねえ？？
ぐれなでぃんさんは印象派の画家がお好きなんですね！
正統派ですね！
実は僕は高校時代、美術部だったのです！
この頃、僕はダリとかキリコといったシュルレアリスム関係に没頭してました。
THE JAZZ MASUTERS ってポールハードキャッスルのバンドでしょう！
お洒落なブラックミュージック系フュージョンで夜のドライブが似合う音楽でしたね！
by 蟹道楽 (2007-04-23 23:42)

ベアトラック奥様
いつもありがとうございます！
そうなんですよね～
なんで、日本の貴重な作品の多くが海外にながれているのか！
それを言えば日本のにも海外の名作が数多くありますが・・・
一時期、日本人が美術品のオークションに参加すれば値をつり上げてかなり外国からは嫌われていましたね。

だんな様、よい物！を見せて頂き、さぞご満足だったでしょう！
by 蟹道楽 (2007-04-23 23:47)

ベアトラック”春画”さん
いや失礼しました！！！
よかったですね～
素晴しい作品を鑑賞されたそうで！！！
淡路町って本町でしたっけ？
お忙しいでしょうが、成功をお祈りしております！
またまた、”夜間ウォーキング＋α”で”よい所”に行かれたようで！！！
いやいや、奥様には内緒で・・・
by 蟹道楽 (2007-04-23 23:53)

「よい所」は、（神に誓って・・・）みんなで見に行っただけです。料亭「百番」の外観、見事でしたねぇ。あの界隈の雰囲気、東京にはありませんよね。
文字通りのカルチャーショックでした。
by ベアトラック (2007-04-24 23:29)

母の実家の関係で、子供の頃の休みは、大阪～奈良が定番でした。
天王をはじめ、大阪の浮浪者の数にはビビッていました。
この虎、、、「くまのプーさん」にも出てくるような・・　
・・私もオッサンの親戚か？。　(≧▽≦)
白黒の世界からカラーの世界に至る「日本の美学」を
私達は忘れてやしないか？。。よくぞ思い起こさせて下さいました。
by norman (2007-04-25 12:54)

ベアトラックさん
素早い反応！（笑）
ありがとうございます！
鯛よし百番！お店の中はもっと凄いですよ！
by 蟹道楽 (2007-04-26 00:30)

normanさん
こんばんは。
ヘーそうなんですか。
お母様は大阪の方だったのですね～
十数年前に比べて明らかにホームレスは減っているような気がします。
そういえば、プーさんに出てくるトラにも似てますね！
by 蟹道楽 (2007-04-26 00:33)