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生涯現役 [ROCK]

2ヶ月位前になるが4月7日、JEFF BECK のコンサートへ行ってきた。

近年、JEFF BECKのコンサートで感じるのが観客の年齢層が広くなっていくよう
に思うのである。

見るかぎり30~40代が多いようだが50代や20代位の人達も結構、平均的
にいるのだ。

性別でいうと、新旧のいわゆる”ギター小僧”といった感じの男が多いが、最近
は女性の姿も見られるようになってきた。

今回、僕の横の席には20代位の女性が一人で観に来ていたのは驚いた。


僕の席の斜め後ろには2人の50代位の普通のサラリーマン風のオヤジがいた。

風貌や服装からみて会社の管理職クラスのようにも見えないでもない。

2人は熱心なファンのようで、開演直前にはテンションが上がって来たのか会話
もかなり盛り上がっていた。


オヤジ1 : (パンフレットを嬉しそうに見ながら)毎回、コンサート来るたびに
         必ずパンフレットを買うてるなぁ。
              
オヤジ2 : パンフ買うのは基本や!
         ワシは毎回必ずTシャツを買うてるで!

オヤジ1 : 実は今日、午後から会社を休んだんや。
         有給をとって来たんや!

オヤジ2 : えぇぇ~!あんた、わざわざ会社休んだんかいな?

オヤジ1 : こういう重要な日に限って緊急の会議とか、ややこしいトラブルが
         勃発するんやなぁ・・・。
         そうなるとせっかくのコンサートがパ~や!
          (この話、僕も痛いほど良く解る!!!)


50代の普通のサラリーマン2人が ROCK のTシャツ等の話題で盛り上がり、また
会社を休んでコンサートに来る。

全く事情を知らない人が実際に、この2人のやりとりを見るとかなり違和感を感じ
るのではないだろうか。

しかし、僕は実にその気持が良く解るのである。(Tシャツは買わないが・・・)

2人とも中高生の頃からJEFF BECKのファンでそのまま大人になったのだろう。

しかし、昔を懐かしむようなノスタルジーでJEFF BECKを観に来ているのではない。

以前にも書いたことがあるが、JEFF BECKは懐メロではなく『現役』なのだ。

3月に発売されたニューアルバム『Emotion & Commotion』は近年の作品の
ような”いわゆるギターアルバム”とは一転した内容だった。
特に驚いたのは”イナバウアー”で有名になったオペラ『トゥーランドット』をオーケ
ストラをバックに演奏したり”ホワイトアレサフランクリン”と呼ばれるJoss Stone
等をボーカルで起用したり大変にバラエティーに富んだ内容だった。

また、この度の大阪公演ではお決まりの『BLUE WIND』や『哀しみの恋人達』の
演奏がなかったように70~80年代の曲は少なく、ほとんどは近年のアルバム
からの構成となっていた。


一昨年前の12月、山下達郎がコンサートで言っいた。

『パッションを持ってる限り、古い作品も懐メロにはならない!』


65歳の JEFF BECK は以前と変わらぬパッションを持ち続けているのだ。

だからこそ JEFF BECK は現在も新しくファンを獲得し、ファンの年齢層も広くな
っているのでははないだろうか。

 

アンコールも終わり会場のライトが明るくなった。

よほど声援を送ったのか『いや~良かった!最高やった!』と喜ぶオヤジの声は
枯れていた。

一方の僕は、拍手をし過ぎたのか手が真っ赤になってシビレていた。


そう、JEFF BECK はいつまでも僕らを熱中させてくれるのだ。

 

 


ただし、今回のコンサートでノスタルジーに浸った瞬間があった。

それは、アンコールで昨年他界したレスポールへ『レスポールへのトリビュート』
とコメントしたJEFF BECK は黒のレスポールギターを弾き始めたのだった。

今や JEFF BECK といえば”ストラトキャスター”というイメージになってしまったが
僕が JEFF BECK を聴き始めた頃の『Blow BY Blow 』のジャケットや『Wired』
の裏ジャケには黒のレスポールギターを持った JEFF BECK が描かれていたのだ。

 BLOW WIRED.jpg

黒のレスポールで演奏するJEFF BECK を見て、中高生の頃に近所のレコード屋
でなけなしの小遣いで買ったレコードをむさぼるように聴いていた事を思い出して
しまった。

 

 

Jeff Beck / Guitars
Jason Rebello / Keyboards, Guitar, Vocal
Narada Michael Walden / Drums, Vocal
Rhonda Smith / Bass, Vocal

 

 

この度のコンサート、2010年4月7日 グランキューブ大阪 より

今まで観た JEFF BECK で今回が一番ギターが”歌って”ました。
『Corpus Christi Carol』  

 

近年のコンサートではオープニング後のお決まりの曲です。
『Stratus』

 

これも近年のコンサートでは欠かせない曲!泣けます!
『Brush With The Blues』


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コメント 12

koto

よかったんやね~
ほんで長いこと感傷に浸ってたんやね~
by koto (2010-06-13 01:01) 

蟹道楽

kotoさん
お久しぶりでございます。
このブログをおぼえて頂いたことを感謝致します。
(特に女性の方だと尚更うれしいです!)
正月から感傷に浸りすぎて、今日まできてしまいました。

by 蟹道楽 (2010-06-13 01:21) 

たいへー

男性ですが、忘れていなかったので喜んで下さい。(大笑
仕事を休んでまで行く・・・それもパッションですね。
人に分からなくてもいいんです。
その気持ちが素晴らしい。
by たいへー (2010-06-13 07:50) 

artfuldodger

オヤジ1の気持ち・・・よくわかる。
by artfuldodger (2010-06-13 09:36) 

sweet_grass2006

こんにちは。
有給休暇をこの時の為に取ってライブへ行かれるおやじ1さんのお気持ちが伝わってきました。
蟹道楽さんも、気付いたら、手が赤くなっていたんですね^^。
パッションを感じます。

>『パッションを持ってる限り、古い作品も懐メロにはならない!』
日本のミュージシャンには、こう言える人が少ないような気がします。

ご紹介の3曲目・・じ~ときました。
by sweet_grass2006 (2010-06-13 12:12) 

ベアトラック

>パッションを持ってる限り、古い作品も懐メロにはならない!
名言ですね。
自分の仕事も、こう言い切れるように頑張りたいものです。
by ベアトラック (2010-06-13 14:17) 

麻小桃

こんばんは。
「・・・忘れられなくって、戻ってきちゃいました♪」
なのでまたよろしくお願いします。

手が腫れるほどの拍手。わかります、私も歌舞伎やコンサートで
同じようなこと何度もしてます。(Tシャツはコクーン歌舞伎でかいました)

by 麻小桃 (2010-06-13 18:09) 

蟹道楽

たいへーさん
男性からも忘れられる事も無く、大変に感謝しております。
ありがとうございます。
音楽、オーディオ・・・趣味を大切にする事!パッションです!
それが明日の活力になりますよね!

by 蟹道楽 (2010-06-14 00:04) 

蟹道楽

artfuldodger さん
ありがとうございます。
僕もコンサートがある日はいつも、オヤジと同じ気持ちです。
by 蟹道楽 (2010-06-14 00:06) 

蟹道楽

sweet_grass2006 さん
ありがとうございます。
僕も中学生の頃から、おかげさまで音楽に対するパッションを持ち続け
られております。
趣味を持ち続けられることについて、本当に幸せな事だと感じます。
『Brush With The Blues』 >>じ~ときました
まるで自分がほめられたようにうれしいです!

by 蟹道楽 (2010-06-14 00:11) 

蟹道楽

ベアトラック さん
お久しぶりです。
コメントありがとうございます。
この言葉!自分が生活して(生きていく)いくうえで最も大切な考え方だと思います!

by 蟹道楽 (2010-06-14 00:14) 

蟹道楽

半年間、休止していた僕より早くブログを再開されていたのですね。
これからまた麻さんの楽しいブログが読めるとは!!うれしいですね!
今年も僕は金比羅歌舞伎に行きましたよ!
亀ちゃん、素敵でした!

by 蟹道楽 (2010-06-14 00:18) 

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