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金儲けもいい加減にしなさい! [JAZZ]

昨年末、またまたジャコパストリアスの発掘盤がリリースされた。
 

    

  Jaco Pastorius / Live from the Players Club


1978年、ジャコがウェザーリポートに加入直後、故郷でのセッションである。
有名になったジャコが故郷に錦を飾ったという感じだろうか。

録音は観客がカセットテープ(モノラル録音)で録音したものらしい。
音質はブートレック(海賊盤)と同レベル。
特に客のおしゃべり(ノイズ)が耳につく。

ミキシングの段階でベース音をブーストしているのではないだろうか?
締まりのないベース音が目立って演奏のバランスが崩れているように感じる。

音質は正規のオリジナル盤とは言いがたいものである。

そして肝心の内容は、ジャコの演奏は”流している”ようにしか聴こえない。

これは聴く人の”想い”や”感覚”によってさまざまだと思う。
決して悪くはないが、しかしジャコ特有の躍動感が感じられないのだ。

しかし、CDの帯には何ともオーバーな事が書かれているのだ。


”1978年、ジャコは世界の頂点に立っていた・・・・”


可愛らしいジャケット(カンベンして!)と”世界の頂点”とまで記されている帯。

しかも、このCDはタワーレコードで”注目の新譜”として堂々と飾られている。


ジャコも今やビックネームのミュージシャンの一人である。
ジャコを知らない若い世代のファンも確実に増やしている。

ジャコ初心者が何も知らずに「ジャコの新譜」と思ってCDを購入したら・・・
 

「なんじゃ、このCDは!」 とがっかりするのではないだろうか?


この音質の悪さは昔のブートレック盤を聴き慣れた人でないと無理だろう。

天才ジャコとの出会いがこれでは悲劇きわまりない。


我々のようなファンにとって、このCDは涙モノのアルバムである。
ただし、僕はこのような音源を広く一般に販売することに抵抗を感じる。
以前も書いた事なのだが、このようなCDはコアなファンが高い金を払って海賊盤
として買うようなアルバムなのだ。

このアルバムは、ジャコオフィシャルサイトの公認作品とされている。。
そこまで書くのならオフィシャルブートレックとして通信販売すればいいのだ。
僕に限らず倍の値段を払ってでもこのアルバムを購入するファンは多いと思う。
 
これも以前も書いた事なのだが、ミュージシャンの意思を無視たような作品を
オフィシャル盤として広く一般に曝すことは止めて欲しいと思う。

一枚のアルバムはミュージシャンが試行錯誤して作り出したもの。
特に天才と言われる人の作品で本人の許可無しに”未完成品”を一般公開する
ことは立派な名誉毀損である。

天才といわれる人に限って凡人では考えもつかないこだわりや努力があるもの。

コツコツ築いてきた名声やイメージを傷をつけてしまいかねない。

特にジャコの場合、発掘盤という”悪いコンディションのアルバム”が多すぎる。


せっかくジャコに興味を持った人に”不幸な出会い”をしてもらいたくない。

何事もちょっとしたきっかけで、不幸なイメージが固まってしまうのだ。
 


その昔、「スクールウォーズ」という番組があった。
 
不良高校をひとりの教師がラグビーを通じて立て直すという青春ストーリー。
 
そのドラマで”不良の番長”を演じていた〇村雄基という俳優がいた。
 
インパクトの強い顔は”悪党”そのもので”番長”にはうってつけの面構え。
 
ドラマが有名になった頃、バイト先の友人からこの”番長”の過去の話を聞いた。

 
「松〇雄基は学年をダブって、俺と同級生になったんだよ」

「奴は凶暴な顔してるけど、弱くてイジメられてたんだよ!」
 

何と!あの松村〇基は凶暴な顔つきに似合わず”イジメられていた”とは!!!

 
それ以来、ドラマで”凄みをきかす松村雄〇”を見ると下手な漫才を見るより
笑いが止まらなかった。
 
今となってはこの友人の話の真偽は解らない。
しかし僕の中での松村雄基〇のイメージは固まってしまったのである。
 
何とも”いたたまれない”話である。
 
このような過去の暴露話は時として致命傷になってしまう。
 
その人がコツコツと築いてきたものを見事に壊してしまうのである。


僕が経験してしまった悲しき「松村〇雄基のお笑いイメージ」。

 

ジャコにはこのような”不幸な結果”になって欲しくはないものである。

 


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ベアトラック

僕もLPの時代に、大好きなブルース・スプリングスティーン他の海賊盤を随分と買いました。ファンならではの大枚払いも、新宿西口、渋谷方面にかなりしましたよ(苦笑)。今思うと、通過儀礼、「はしか」のようなものだったかもしれませんね。
音質劣悪、観客のしゃべり声etc・・・は海賊盤の常ですが・・・それが元で、大好きなミュージシャンやアーティストのことを嫌いにならなくて良かったと思っています。
蟹道楽さんがおっしゃる通り、発売する側にも良識が必要だと思いますね。
by ベアトラック (2008-01-14 11:40) 

ジャコには、いわくつきの「ホリデー・フォー・パンズ」というアルバムがありますね。未完成だったのに、ジャコの死後リリースされたものです。肝心のベースをジャコ以外のだれかがオーバーダブした可能性があるのに、その演奏がまるっきりジャコ・タッチで真偽が不明。ファンとしてはどう受け止めていいのか戸惑う作品です。その作品も某音楽誌の編集長が解説を書き、誌面で強力プッシュしてました。

ファンはこうした作品を喜びながらも、ジャコ本人が認めていない、未発表の発掘音源であることを割り引いて聴きますが、蟹道楽さんのおっしゃる通り、無責任にあおるのは許せません。ジャコをめぐる「死人に口なし商法」には本当に目にあまるものがあります。
by (2008-01-14 13:14) 

2ndLT

僕もこの手のアルバムを何枚も持っています。
それもまだJAZZをよく知らない頃に買ったものばかりです。
ウェザーリポートやウェインショーター、コルトレーンのもあったかな?
どれもライナーノーツのコメントを信じて買ってしまったものばかりです。
今聞くとまた違った印象をもつようになりましたが、その当時はなんだこりゃって言う感じでその後聞くことはありませんでした。
by 2ndLT (2008-01-14 14:38) 

蟹道楽

ベアトラック さん
スプリングスティーンのブートは一枚だけ持っております。
「はしか」で終わったベアトラックさんは大人になれてよかったですね。
僕の場合、ブートはJEFF BECKなのです。
めったにアルバムを出してもらえないのでブートに走ってしまうのです。
いまだに「はしか」状態でして・・・
JEFF BECKのブートだけで100枚位あります・・・
by 蟹道楽 (2008-01-15 00:20) 

蟹道楽

つんさん
そのいわくつきの「ホリデーフォーパンズ」は実は購入しておりません。
マスターを持ち逃げして日本に売ったとか?・・・
また、ジャコのベース以外の”不純物”が入っているというまことしあかな噂から何となく購入するのを控えております。
まさしく、ジャコの場合「死人にくちなし」状態。
日本に行けば”ジャコ天国”と外国のミュージシャンは来日の時にジャコのアルバム漁りをするそうです。
悲しい話です。
by 蟹道楽 (2008-01-15 00:26) 

蟹道楽

xml_xslさん
ありがとうございます。
by 蟹道楽 (2008-01-15 00:26) 

蟹道楽

2ndLTさん
そうですか。
2ndLTさんも”被害”にあわれたのですね。
僕の場合はビルエバンスを聴きはじめた頃、スコットラファロ、ポールモチアン、の未発表盤というふれこみのレコードを買ったことがあります。
やはりブートっぽい感じのレコードでした。
当初は”銭返せ!”と思っておりました(笑)
それから10年位たってCDでも発売されていました。
by 蟹道楽 (2008-01-15 00:32) 

かおり

音楽を愛する蟹道楽さんのお気持ちが理解できる気がします
「売れる」と思えばナンでもOKみたいな風潮が
たしかにありますよね
私はどうだろう・・・
たとえ好きだったアーティストのものでも
その人にまだ意思があったと考えて
「この音源が世間に流れることを本人は喜んでいるのだろうか」
と考えて、そうは思えないときには買わないと思いますねー
最近亡くなった女性アーティストも、私は生前興味ありませんでしたが
彼女が望んだかどうか・・・いろいろ商売のネタにされているような気がしていて、なんだか気の毒に思っているところです

「ジャコ初心者が何も知らずに「ジャコの新譜」と思ってCDを購入したら・・・」
音楽を愛する蟹道楽さんらしい優しさですね^^
by かおり (2008-01-15 00:52) 

たいへー

実力のあるアーティストほど、
作品に思いを込めるでしょう。
そんな思いを無視してレアトラックを販売するのは
いかがなものか?
ライヴを楽しみたいのなら、見に行けばいい。
売りたいのは分かるが、やり方にも礼儀があると思う。
by たいへー (2008-01-15 09:04) 

鯉三

久しぶりのジャコの記事には蟹道楽さんの苦渋の思いが満ちていました。残念なことでしたね。
5年前にこちらでブートレグのスティングのCD(ライブ)を買ったのですが、素晴らしく音がよかったので、そういう当たりもあるのですね。
by 鯉三 (2008-01-17 01:58) 

koto

うちの旦那がジャズに目覚めた~!?
誰かから借りて車の中で聴いてます。
蕎麦打ちとどっちかにしてくれないと・・・
うちにはオーディオルームは無理だし~
by koto (2008-01-18 11:39) 

nico

謹賀新年。 w(☆o◎)w ガチョーン
今年もよろしゅうお頼み申し上げます。
by nico (2008-01-19 15:13) 

蟹道楽

青い花さん
売れれば何でもOK!
レコード会社の方針なんでしょうか?
ジョンレノンの時もそうでした。
最近無くなった女性歌手も確かにその通りです!
「今がチャンスだ!商売繁盛!」って感じですね。
まあ、民間企業は「儲かってナンボ」の世界ですが・・・
限度があります。
by 蟹道楽 (2008-01-20 03:23) 

蟹道楽

たいへーさん
レアトラックが発売されないのは訳がありますよね。
それが、ミュージシャンがコントロールできる状態なら
日の目を浴びる事もないでしょうが、亡くなった瞬間に
レコード会社の商売になってしまうことは悲しいことです。
by 蟹道楽 (2008-01-20 03:25) 

蟹道楽

イッキさん
ありがとうございます。
by 蟹道楽 (2008-01-20 03:26) 

蟹道楽

鯉三さん
またまた、ジャコの発掘盤です・・・
もう叩いてもほこりも出ないようになってきましたね。
しかしあと10枚位はでるかも・・・
最近(90年代から)のブートは凄いです!
へたなオフィシャルライブ盤よりいいものがあります!
by 蟹道楽 (2008-01-20 03:28) 

蟹道楽

kotoさん
それは素晴しい!
脱サラしてJAZZそば屋はいかがでしょうか?
by 蟹道楽 (2008-01-20 03:29) 

蟹道楽

nicoさん
お久しぶりです!
今年もよろしくお願いいたします!
by 蟹道楽 (2008-01-20 03:29) 

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